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子育て相談 Vol.2

今月のお悩み

しつけについて

おっちょこちょいなのか、
担任の先生に毎日怒られてばかりいるようで……。
この春、3年生になる息子です。1 ~ 2年生の間、教室で担任の先生にほぼ毎日怒られてきました。
怒られる内容は、主に「『やめなさい』と言われてもやめない」「先生が話している途中で『それ知ってる!』と話を中断する」といった2 点が多いようです。
下に3歳の弟がいるため「寂しいからかな……」と家で宿題をする際などにそばに座るなどはしているのですが、それでも、学校では注意されてばかり。本人もどうにもできないようです……。
どうすればよいでしょう?

先生の回答

高学年になれば落ち着いてくるでしょう。
もう少し様子を見てあげてください

そもそも子どもは大人の言う通りに行動するものではありません

 子どもに「やめなさい」と言ってもやめない、というのは、親なら誰でも経験することです。そもそも子どもは、大人の言うことをよく聞いてその通り行動するものではありません。小学3年であれば、思いつくままに行動し、一度調子に乗ってしまうと、もりあがった気持ちを自分で鎮めることはまだまだ難しい時もあります。
 先生に注意されたということについて、子ども自身はどう感じているようでしょうか。怒られても平気でいるようなら、もう少し様子を見てあげてください。もともと目立つのが好きな子、はしゃぐタイプの子かもしれません。小学校高学年になれば落ち着いてくるでしょう。
 今子どもは、自分の気持ちをコントロールする方法を学んでいる最中です。知っていることを口に出したい、好きなようにはしゃぎたいという気持ちを自分で受け止めて、「今は授業中だから」とけじめをつけることができるようになれば、怒られることもなくなるでしょう。そのためには、もうしばらく時間が必要です。

問題は、時と場合にそぐわない行動をとっていることなのです

 いずれにせよ、子どもがはしゃぐことそのものを叱るのは、あまり意味がありません。問題ははしゃぐことではなく、時と場合にそぐわない行動をとっていることです。普段は自由にしていても、ここぞというときにはそれなりの姿勢で臨む。自分でその力加減ができるまで、サポートしていくことが大切です。
 もちろん、下に小さい弟がいるなどの理由で子どもが寂しがっているのであれば、めいっぱい甘えさせてあげることが必要です。宿題をするときに横に寄り添うのもいい方法です。また、はしゃぎたがる子どもであれば、一緒になってめいっぱい大騒ぎするというのも、非常に効果的でしょう。「それ知ってる!」と言って話を遮るということは、「知ってる!」という気持ちの高ぶりそのものを共有したり、「そんなこと知ってるなんて、すごい!」という歓心を得たりしたいという気持ちの表れかもしれません。子どもは、うれしい、楽しい、プラスの気持ちで、先生の話を「知ってる!」と遮っています。それに対してマイナスの反応である「怒る」が返ってきているからこそ、求めているプラスの反応があるまで何度も同じことを繰り返しているのかもしれません。

一緒にはしゃいだ後に、静かなモードへとリードしましょう

 子どもに気持ちをコントロールする方法を教えるためには、まずは子どものはしゃぎたい気持ちを受け止めて、子どもの調子に乗っかるように、一緒にはしゃぐことです。子どもと一緒になって十分にはしゃいで、プラスの気持ちのやり取りをたっぷりと行い(これが、子どもをたっぷり甘えさせることにつながります)、エネルギーを発散します。大切なのは、子どもと同じように喜び、気持ちを高めることです。子どものエネルギーがピークを越えたなと思ったら、今度は親が調子をリードして気持ちを静かなモードに切り替え、話を本筋に戻します。うまくいけば、今度は子どものほうが親のモードについてきます。
 この手順を、普段のやり取りの中で繰り返していくことで、子どもは親にたっぷり甘えることができます。もし寂しかったり、歓心を得たかったりする気持ちが原因であれば、これだけで改善するかもしれません。それでなくても、「はしゃぎたい気持ちを受け止めて、話を本筋に戻す」という経験を繰り返せば、いずれ自分の中で同じように気持ちを切り替えることができるようになります。

ダメな理由については、話せばわかると信じていねいに説明しましょう

 気持ちをコントロールする方法とは別に、授業を止めてはいけないということ、「やめなさい」と言われたことはすぐにやめなければいけないということを、ていねいに説明する必要があります。たとえば「学校の授業は、教室のみんなで一つのことを勉強する時間だから、○○ちゃんが知っていることを知らない子もいるのよ。他の子の勉強するときのワクワクのために、静かにしていてあげてね。知ってることが出てきて、すごいなと思ったら、帰って来てからお母さんにこっそり教えて」というように。この時、話せば必ずわかるものだという態度でていねいに説明することが大切です。

Vol.2 ブンブンどりむ 保護者向け情報誌「ぱぁとなぁ」2014年5月号掲載

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