子供の考える力・書く力はこうすれば伸びる!

HOME > 菅原裕子先生 お悩みパパ&ママ子育て相談 >子育て相談 Vol.70

子育て相談 Vol.70

今月のお悩み

“コロナ疲れ”

修学旅行の中止が決定して以来、元気がありません。
小学6年生の長女は、新型コロナウイルス感染症の影響による修学旅行の中止が決定して以来、元気がありません。ものすごく楽しみにしていたので無理もないとは思うのですが、口数も減り、何となく勉強にも集中できていない様子に、イレギュラーなことの多かったこの半年間の疲れが一気に出たのではないかと心配しています。親としてどういったフォローがしてあげられるのでしょう?

先生の回答

異変に気づけていることが、とても大切。
焦らず、毎日少しずつ楽しみを積み重ねていきましょう

 多くの子どもが、イレギュラーな毎日に対応しながら、頑張り続けることを要求されています。そんな中で、ずっと前からの楽しみであった修学旅行が中止になったことは、とても残念なことであると同時に、どうしようもないことでもあります。小学校6年生にもなると、その「どうしようもなさ」はよく理解できます。できるからこそ、その気持ちを抱え込んでしまうのは、ごく自然な反応です。ご指摘の通り、この半年間の疲れも一気に出てしまっているかもしれません。まず、親がその異変に気がついている、ということがとても重要です。子どもの変化に気づけるだけの関係ができていること、子どもに注意を向けていることは、とても素晴らしいことです。

子どもが求めるだけ話をさせてあげて

 親にできることの一つが、話を聞くことです。可能であれば、「落ち着いたら、修学旅行で行く予定だった○○、家族で行ってみようか」と話を向けてみるもの一つの方法です。「いいね」と言ってくれるかもしれませんが、「友だちと行けないなら、行ってもしようがない」と言うかもしれません。そうしたら、「そうかあ、友だちと行くのを楽しみにしてたんだものね」と、その残念な気持ちに耳を傾けていきましょう。理不尽だ、残念だ、どうして私たちだけ……というような気持ちがあるはずです。ネガティブな気持ちを言葉にすることを恐れずに、子どもが求めるだけ、話をさせてあげてください。また、ネガティブな気持ちを持つことはとても自然であるということも伝えていきましょう。ただし、子ども自身がネガティブな気持ちから距離を取ろうとしているようなときは、無理に向き合わせようとせず、距離を取らせてあげてください。

元気でいるための活動が十分にできているか

 また、修学旅行のこととは別に、子どもが元気でいられるような活動が十分にできるよう、気を配ることもできます。人との距離や手洗いに気をつけながら、外に出かけたり、遊んだりすることも大切です。屋外の施設だけでなく、博物館や映画館なども、入場者数を制限するなどの対応をとりながら営業するケースが増えています。それぞれの施設のホームページなどで情報を集め、安心して遊べるところを探してみましょう。家の中でも、体を動かすことが大切です。体が元気になると、心も元気になりやすいものです。親子で一緒にストレッチなどの運動をするのもお勧めです。
 小学6年生ということですから、どこで何ができるかを、子どもと一緒に探すのも楽しいかもしれません。「来週末、どこかに遊びに行きたいなと思うんだけど、今どういうところが開いているんだろう?」と、一緒にいろいろ検索してみてください。事前の予約が必要なケースもあります。先々の楽しい予定について考えることで、少し元気が出ることもあります。

お友だちと関わる時間が十分にとれているか

 小学校の登校が再開していても、遊びが制限されていたり、部活がなくなっていたり、放課後の外遊びが敬遠されていたりすることもあります。娘さんは、お友だちと関わる時間が十分に取れているようでしょうか。
 思春期になると通常、友だちと過ごす時間が増え、親と過ごす時間が減っていきます。しかし、今回の外出自粛の流れの中で、この変化が阻まれているかもしれません。パソコンやスマホを使うことが、子ども同士のコミュニケーションの助けになるようであれば、前向きに検討していきましょう。趣味の活動を記録してSNSで発信することが、気持ちを前向きにする場合もあります。
 ただしその時には、家族の中でパソコンやスマホをどう扱うか、SNSでの活動をどう見守っていくかについて、時間や料金、場所、ルールを守らなかった場合の罰則までをしっかり話し合い、親と子が合意してから導入する必要があります。一方的に与えるのではなく、子どものニーズを確認してください。

 集中できなかったり、イライラしてしまったりする時には、無理に頑張り続けないことが大切です。押してだめなら、気持ちを切り替えて引いてみることも必要です。今どんなふうにしているのかを見直し、何をどんなふうに変えることができるのか、どこから取り組むべきか、親子で一緒に考えてみましょう。
 焦らずに、気分転換をはかりながら、毎日少しずつでも楽しみを積み重ね、窮屈な日々を少しでも気持ちよく過ごせるよう、調整していきましょう。

Vol.70 ブンブンどりむ 保護者向け情報誌「ぱぁとなぁ」2020年11月号掲載

一覧へ戻る
無料体験キット