子供の考える力・書く力はこうすれば伸びる！

ポスターを貼っておいたら……

　「わが家のリビングには、家族の写真や恐竜のイラストに混じって、古びた一枚のポスターが貼ってあります。タイトルは「日本列島７億年」。岩石や地層の写真とともに、日本列島の成り立ちがわかりやすく紹介されています。
　６年前、イベントでもらったこのポスター。息子は幼いころから公園でも土をいじったり石を拾ったりするのが好きだったので、写真にひかれたのか「これ、かっこいいね！」と気に入り、何となく貼ったままになっていました。
　あとから調べてみると、このポスターは文部科学省が毎年発行している※「一家に一枚」という学習資料でした。特別な説明もしなかったのですが、数年後には「これは花こう岩だよ」と口にするようになり、鉱物の図鑑を図書館で借りてくるなど、自然に興味を広げていきました。
　「教えよう」としたわけではなく、ただ貼っておいただけなのに、こんなふうに自分から興味を持ってくれたことが、とてもうれしかったです。
　

興味の種をまく

　このポスターの体験がうれしくて、さらに「元素周期表」や「インド式かけ算」などのポスターも、お風呂やトイレに貼ってみました。ところが……こちらはまったく反応なし。少し成長して、「これは勉強させようとしてるな？」と親の狙いを察知するようになったのかもしれませんし、心をつかむ〝引っかかり〞がなかったのかもしれません。
　そこで最近は、ポスター作戦をいったんお休みして、漫画作戦に切り替えています。音楽家や宇宙飛行士、古典や数学など、いろいろなテーマの漫画を、あくまで〝親が読んでいるだけ〞の体裁で本棚に並べています。興味をもって読んでくれる漫画もあれば、見向きもしないものもあります。でもそれでいいと思うんです。何かをきっかけに「勉強っておもしろい！」と感じ、自分から調べるようになってくれたら、こんな幸せなことはありません。
　

　みなさんも、学びの種まき、あれこれ試してみてください。
　

※文部科学省「一家に一枚」
文部科学省が家庭で科学や技術に親しむ機会をふやすことを目的に発行しているポスター。過去のポスターも、ダウンロードできます。
https://www.mext.go.jp/stw/series.html