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子育て相談 Vol.106

“子育てと仕事の両立”
- 仕事も家庭も育児も中途半端で、情けなくて涙が出てきます。
- 小学1年生の長女と、保育園に通う3歳の長男とがいるワーキングマザーです。今春から正社員として働き始めました。長男がよく熱を出すのですが、夫も対応してくれますし、職場も理解があり「やっておくよ」などとサポートしてくれます。
でも、仕事も家庭も育児も何もかも中途半端にしかできていない自分が情けなくて、ふいに涙が出てきます。そのたびに「私はなんでこんなにしんどい思いをしなくてはいけないんだろう」と、仕事を辞めることばかり考えてしまいます。こんな私が日々前向きにがんばっていけるようなアドバイスいただけないでしょうか。
先生の回答
完璧にはできないとあきらめる 今日すべきことが終わっていればそれでいい
仕事と育児の両立についての悩みは、働く親の多くが体験しています。職場で他の人が忙しく働く中、一人だけ「お先に」と言って帰宅するときの申し訳なさ、職場の人たちに対する罪悪感もあるでしょう。自分でも、もっと思い切り仕事がしたいというもどかしさを感じているかもしれません。できるものなら、もっとキャリアアップしたいという気持ちもあるかもしれません。思うようにいかない日々の中で、葛藤が積み重なっていってしまいます。
一方で、子どもたちに対する気持ちはどうでしょう。ずっと一緒にいてやれない申し訳なさがあるかもしれません。もっと時間の余裕があれば手をかけてやれるのに、それができないことに対するうしろめたさ。家事はどうでしょう。食事の支度や、家の片付け……こうしたいと思う理想に対して、なかなか現実が追いつきません。
仕事をしていても中途半端、子どもといても中途半端。全てが中途半端に思えると、自分は何一つとして満足に成し遂げていない、などと思ってしまいますね。私も一度ならず感じたことのある気持ちです。
利用し得るあらゆるサポートをフル活用する
この気持ちをどう整理していったらいいのでしょう。まずは、今の生活の中での優先順位をはっきりとさせることです。この時期、優先順位の第一位は子どもたちです。とはいえ、子どもは24時間親を必要としているわけではありません。健康で元気であれば、親と離れている時間も楽しく過ごせます。ですから大切なことは、どのように子どもの健康と元気をサポートできるかを考えることです。ある程度規則正しい生活と、簡単でもバランスよく栄養を取れる食事、笑顔と会話のある関係があれば、子どもたちは健康で元気に過ごすことができます。
この時期、家の中のことにも、完璧を求めるのはあきらめましょう。理想と現実を比べて足りない部分を責めても、どうにもなりません。今日中に終えなければならない仕事が終わっていれば、あとは明日でいいのです。子どもたちの食事と睡眠、明日着る服がなんとかなっていれば、あとは明日でいいのです。毎日こなしている一つひとつが加点対象です。限られた時間で食事を用意し、片付け、洗濯し、子どもをお風呂に入れたり、寝かしつけたりしながら、保育園の支度や宿題のマルつけもあります。もちろん、自分の支度もあるでしょう。できて当たり前だと思うかもしれませんが、簡単なことではないのです。試行錯誤しながら、どうにか日々を回していきます。
夫は頼りになる相棒です。家事も子育てもシェアして、二人がゆっくりできる時間も、なんとかしてねん出しましょう。夫婦の力だけではなく、利用し得るあらゆる資源、あらゆるサポートを大いに活用してください。保育園や学童、ネットスーパーなどのサービスを利用することもそうですが、会社の時短勤務や、職場の人のサポートもこれにあたります。
最大限、効率的な仕事の進め方を模索する
職場は、子育てをしながら働くあなたを応援しています。他の人たちと同じように働けない、と自分を責めるのではなく、思うようにいかない限られた時間の中で、最大限効率的に仕事を進めるというのはどういうことかを考え、身につけるチャンスとしてとらえてください。必要な質を確保しながら効率よく進めるうえで、どのようなことに注意したらよいか。周囲との連携のためにおさえておくべきポイントは何か、逆に、実際には気にしなくても良いことは何か、など……。今は効率よく働くスタイルを学ぶときです。
上司に与えられる仕事をただこなすだけでなく、その仕事にどのように取り組みたいか、上司や職場の人たちに伝えるのもいいでしょう。これも家事同様、完璧というわけにはいきませんが、その努力は周りに伝わります。努力するあなたを、周りはより応援したいと思うのではないでしょうか。そして、この時期の頑張りと、そこから積み重ねた経験は、きっと後々のあなたのキャリアアップに役立ちます。
自分の時間を確保する
また、あなた自身のための時間も大事です。あなたはどんな時間が好きですか?子どもが寝た後、夫とグラスを傾けながら語るとき?週末の午後、家族を公園に送り出して一人で読書するとき?何もせずぼんやりする時間が欲しいと思うかもしれません。たとえ短時間でも、自分のための時間を取ることです。お母さんが幸せを感じる時、子どもは幸せです。
Vol.106 ブンブンどりむ 保護者向け情報誌「ぱぁとなぁ」2023年11月号掲載