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子育て相談 Vol.11

今月のお悩み

勉強方針について

夫が、娘の中学受験に反対。
夫婦で同じ考えになるまで話し合うべき?
小学5 年生の長女には、4 年生になった時から中学受験を意識した学習計画に取り組ませています。本人の気持ちも確認し、母娘では納得しているのですが、夫は「こんなに勉強させなくても……」と始終、反対。以来、家庭内の雰囲気がなんとなく落ち着かない状態が続いています。
このような場合、やはり、夫婦で同じ考えになるまで話し合いを続けるべきでしょうか?
今さら娘に勉強をやめさせるのもどうかと思われますので、夫に納得してもらうしかないと思っていますが、彼は結構な頑固者です……。
そんな我が家にアドバイスをお願いします。

先生の回答

「〜するべき」「〜させる」ではなく家族が互いの考えを理解し合うことが大事

どこが同じで、どこが違うかを理解し合う

 中学受験は、親子にとって大きなテーマのひとつです。小学校受験までは、親が主導して行うことが多いでしょう。親が選択肢についてリサーチし、子どもの性格や能力と照らし合わせて、受験についての様々なことを、親が決定することになります。高校受験ともなれば、子どもはもう自分で進路を選択できますから、子どもが自分で調べて選択し、子どもの意志に沿って子ども主体で行うことになります。中学受験だけは、子どもの意志と親の意志をひとつひとつの段階で確認しあいながら、お互いの意見をすり合わせて、受験とは何か、どの学校を、どのような条件で選ぶか、いつからどう取り組むのか、丁寧に模索していかなくてはなりません。その時に、夫婦の間で意見が違うと、不安になることもあるかと思います。
 結論から言えば、夫婦が同じ考えである必要はありません。ただし、お互いの考えによく耳を傾け、どこまでは同じ考えなのか、どの部分は違う考えなのかを、お互いが理解しておく必要があります。
 たとえば、「本人の気持ちも確認し、母娘では納得している」ということですが、どのようなやりとりがあって、お子さんのどんな気持ちを確認し、それぞれに何を納得しているか、お父さんは知っていますか? また、お父さんの「こんなに勉強させなくても…」とは、具体的にどんな状況を指していて、お父さん自身はどのような理想を持っているかを、お母さんは知っていますか? 始終反対とは、受験をすることそのものに反対で、近くの公立中学校に進むことを望んでいるのか、それとも中学受験自体はよいが、もう少し入りやすい学校を選ぶべきだと考えているのか……そういった細かな、具体的な部分について、よく話し合う必要があります。
 そして、お互いの意見を十分に確認したら、意見の一致している部分を探します。恐らく、より質の良い教育を受けさせたい、幸せな毎日を送ってほしい、という点では意見が一致することでしょう。もしかしたら、中学受験をするべきであるとか、定期的にしっかりと息抜きをすることが重要である、ということも一致するかもしれません。
 夫婦の意見をお互いがよく理解したら、子ども含めて家族会議をします。目的は全員がわかり合うことです。今、子どもが中学受験に向けて頑張っていること、そしてお父さんとお母さんにそれぞれ心配事があることを説明して、父、母、子のそれぞれが「受験は何のためのものであるか」を話し合います。「そんなに勉強しなくても」という状況について、「そんなに勉強すべきである理由」と「そんなに勉強しなくてもよいと思う理由」をそれぞれが話し、子どもがどう思っているのかについて質問します。これは、子どもや夫を説得するためのものではありません。お互いの考えの確認をする段階です。内容の評価は後回しにし、すべての意見を温かい雰囲気で迎え、言いたいことが全て言えるよう促します。話している人の意見によく耳を傾け、「どうしてそう思うの?」と詳しい説明を求め、「それは○○ということ?」と確認し、できるだけ相手の意見を正しく理解できるよう努めます。

のびのび勉強に取り組むためにも

 最後に、中学受験は、すでに「取り組ませる」「やめさせる」と言えるような性質のものではありません。思春期に差し掛かる子どもに対して、子どもの意志に反して何かをやらせたり、やめさせたりすることは、親子の間に大きな溝を作りかねません。子どもはまだ、大人ほど上手に自分の考えを述べることができるわけではありません。それでも、自分なりの考えを持っています。子どもが中学受験にどんな希望を持っているか、そして受験のための取り組みにどんな考えを持っているか、それらに対してどんな気持ちでいるか。ひとつひとつを丁寧に確認してください。
 一人ひとりの「やるべき」「やめるべき」ではなく、「なぜそう思うか」「どこに向かっているか」に焦点を当ててください。納得させよう、ではなく、お互いを理解し合うようにしてください。中学受験というテーマについて、早い時期に一致した意見が得られるかどうかはわかりません。ですが、お互いがお互いの考えを理解しているということがわかれば、雰囲気も落ち着き、子どもものびのびと、自分が本当に必要だと思うことに取り組めるのではないでしょうか。

Vol.11 ブンブンどりむ 保護者向け情報誌「ぱぁとなぁ」2015年12月号掲載

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