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子育て相談 Vol.121

今月のお悩み

世代間ギャップ

祖父母の不適切発言が気になります……。
 のびのびと未来を思い描いてほしくて、娘(小2女子)には「女の子なんだから〜」など、ジェンダーバイアスのかかった言動はしないように心がけています。ですが、近所に住む義祖父母にはこのあたりの感覚がわからないようで、ジェンダーやルッキズムを助長するような〝不適切発言〞を連発します。何年か前に、夫から注意してもらっているのですが、なおりません……。よい対処法があれば教えてください。

先生の回答

“価値観の変化”について三世代で話してみましょう

無意識のバイアスは根深いものだから

 今の時代、人々は、ひと世代違うとまるで別の星から来たような、全く違う文化の中を生きています。そのくらい昭和から平成、そして令和の時代は変化が激しく、常識と呼ばれるものも全く姿を変えました。
 例えば、昭和生まれの私の時代は、「男は泣くもんじゃない」「女はおとなしく」というようなことは言われても抵抗しようがないほど、常識的なことでした。もちろん言われる側は無言の抵抗をしましたが、同時にその常識を受け入れるしかありませんでした。
 私の娘は昭和も末期の生まれです。このころには、もうほとんど「男のくせに」「女のくせに」というようなことは言われなくなっていました。
 そして今現在、平成生まれの孫たちの時代ですが、男だから女だからという見方自体が問題視されるようになってきました。
 だからといって、昭和生まれの私からはジェンダーバイアスがかかった考え方がなくなったかと言うと、そうではありません。「男のくせにいつまでもめそめそしないで!」「女の子がそんな格好して!」「男なのに化粧してる!」などなど、私は四六時中心の中で叫んでいます。
 人のいるところで言葉にすると、いろいろ差しさわりがあるのでぐっとこらえているつもりですが、きっと私も無意識にその思いを言葉にしてしまっていることでしょう。
 こうしたことは、私の世代の多くが体験していることです。自分自身の持つ無意識のバイアスに刺激され、不適切な言葉を子どもや孫にも言ってしまう。自分たちの中に深く浸透した考えを変えるのは簡単なことではありません。
 同時に、現代の日々の中で、そのような言葉をかけられる子どもや孫の世代のことを考えると、ご相談にあるような混乱はよく理解できます。最悪の場合、不用意に孫を傷つけてしまう可能性もはらんでいます。それを何とかしたいと思う気持ちももっともです。パートナーを通してご両親に伝えておられるようですが、そのかいもなく、不適切発言は続くようです。

正否ではなく変化を伝える

 さて、それを何とかしたいと思うのであれば、一番いい方法は、禁止ではなく、その違いと積極的に向き合うことです。祖父母の世代に「そういうことを言わないでください」というより、今の文化や常識を伝え、子どもたちには、その違いを伝えることです。
 「おばあちゃんのころにはそういうこと言ったんだよね」「おじいちゃんの若いころはそういうの常識だったんだよね」などと話題にして、時代の違いを子どもたちに教えてはいかがでしょうか。
 それは、子どもにとっては、父と母が、おじいちゃんおばあちゃん世代と語り合う姿です。その姿は、「そんなこと言わないでください」と抗議するよりはるかに説得力を持ちます。どちらが正しいかということではなく、時代の変化によって価値観が変わっていくことを伝えるのです。つまり、言わないでと突き放すのではなく、おじいちゃんおばあちゃんを交えて、家族全員で話題にすることをお勧めします。
 おじいちゃんおばあちゃんには、昔のことを話してもらいましょう。お二人も昔にそういうことを言われて苦い思いをした体験があるかもしれません。
 お子さんは小学校2年生。そんな対話を聴いて育ったお子さんであれば、お子さんがきっとおじいちゃんとおばあちゃんをいさめてくれますよ。
 「おじいちゃん、私にはいいけどよそで言ったらハラスメントって言われちゃうよ」なんて。

Vol.121 ブンブンどりむ 保護者向け情報誌「ぱぁとなぁ」2025年2月号掲載

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