HOME > 菅原裕子先生 お悩みパパ&ママ子育て相談 >子育て相談 Vol.124
子育て相談 Vol.124

頑張る力
- 息子の頑張る力を引き出すには?
- 長女、長男に比べ、二男(小2)には、頑張る力が不足しているように思えてなりません。ゲームに夢中で、宿題などやりたくないことには全く手を付けない、逆上がりができなくても悔しがりもしないし、練習しようともしない。このままでは心配です。頑張る力を引き出すためのアドバイスをください。
先生の回答
お子さんの好きなものや関心、特性を知ることから始めましょう
まず、お子さんの気質を尊重すること!
他の二人のきょうだいとはかなり違う気質のお子さんに戸惑いを感じておられるようですね。最初にお伝えしたいことは、彼を二人のお兄ちゃんやお姉ちゃんと比べないほうがいいということです。人にはそれぞれ生まれつきの気質があり、環境の影響を受けながら性格となって表れてきます。
同じきょうだいでも、気質はそれぞれ異なります。お父さんやお母さんにはきょうだいはいますか?同じ親から生まれていても性格は異なるのではないでしょうか。親は、子どもの性格が自分と違ったり、他のきょうだいと違ったりすると、心配して矯正しようとするものです。しかしそれは、あるがままのその子を否定することです。親の心配は子どもに伝わり、子どもは、自分は心配されるような子であると感じます。
どのような気質に生まれるかということと、その子が幸せになれるかということには関係がありません。ですが、親が子どもの気質にどう反応するかということは、子どもの日々の幸福度を大きく変え、将来に影響します。親の役目は、その子がその子らしく社会に調和し、幸せに自立していけるようサポートすることです。まず、お子さんをお兄ちゃんやお姉ちゃんとは異なる傾向の子として尊重しましょう。
そのうえで、「ゲームに夢中で、宿題などやりたくないことには全く手を付けない、逆上がりができなくても悔しがりもしないし、練習しようともしない」という状態をどのように扱ったらよいのでしょうか。
まずは、お子さんを「興味があると夢中になって集中する子」と捉えてください。「頑張る力のない子」として見るのではなく、「興味があると夢中になって集中する子」であるという前提をしっかり持ってください。
そして、その興味がどこに向かっているかを探しましょう。小2では、まだまだ自分の好きなものに出合ってはいない可能性もあります。彼の好きなものに出合えるよう、親子でいろいろと試してみることです。彼が好きなものに出合えるサポートができるといいですね。
もう一歩踏み込んでお子さんを観察しましょう
ゲームは人を夢中にさせるように設計されていますから、ゲームに夢中になるのは当然のことです。もう一歩踏み込んで観察してみましょう。お子さんが夢中になるのはどんなゲームですか。逆に、夢中にならなかったゲームはありませんか。
ゲームの形も様々です。物語を読み進めるもの、図鑑を埋めるもの、高得点を狙うもの。自由度が高いゲームでのびのびと遊びたいのか、条件が厳しいゲームのほうが燃えるのか。友だちと同じゲームをしたがるのか、一人でもずっと遊んでいるのか。運の要素をおもしろがるのか、嫌うのか。はまったゲームをずっとやるのか、ある程度クリアすると次に行きたがるのか。子どものプレイスタイルをしっかり観察することで、彼の興味が見えてきます。ゲームのことがわからないなら、親も一緒にプレイしてみてはいかがでしょうか。
宿題はどうでしょうか。すべての宿題に対して同じように手を付けないということは、あまり考えられません。夏休みの宿題などは、どんな順番でやろうとしますか。漢字と計算はどちらが得意そうですか。感想文のような、自分で考えて組み立てるものが得意な子と、淡々と空欄を埋めていく作業のほうが得意だという子がいます。図工はどうですか。正解がないと気楽に取り組める子と、正解がないから腰が重くなる子がいます。彼の特性や得手不得手を知る手掛かりになります。好き嫌いと成績がかみ合わないこともあります。よく観察してみましょう。
小さな目標にチャレンジ!「できた!」を重ねよう
小さな目標を立てて、小さな「できた!」という体験を重ねます。このとき、興味の持てるようなことがあれば非常に効果的なのですが、興味が見つからなくても、日々やらなければいけない宿題などについて「やった」「できた」と認めていくことから始めてみるのもよいでしょう。
小2であればまだ、親のペースメークについてきてくれるでしょう。宿題に手を付けないということであれば、宿題の習慣化から始めるのがお勧めです。適切なタイミングは家庭によって違うと思いますが、帰ってきておやつを食べたらやる、6時になったらやる、などのスタート時刻と、所要時間の目標を決めましょう。親が「宿題の時間よ」と声かけをすると反発心を生むことがありますから、タイマーを活用しましょう。
さっと集中して終わるよう環境を整え、横でゲームをして集中を妨げないよう、家族全体で協力します。ゲームに夢中になるのは悪いことではありませんが、ゲームのせいで宿題ができないなら、ゲーム機の扱いについて親子でルールを決める必要があります。
そして宿題に取り組み、宿題をこなしたら、そのことを認めましょう。スタンプカードやカレンダーを用意して、やったということを記録していくのもお勧めです。小さなご褒美があっても良いかもしれません。例えば、一週間連続でクリアしたら好きな夕食のおかずをリクエストできる、など。
このような取り組みの中で、だんだん、子どもの関心や特性が見えてきます。そこを手がかりに子どもの世界を広げ、やる気を持つ経験を増やしていきましょう。そんな環境の中で、彼は自身が興味を持つものに対して頑張る力を発揮していくようになるでしょう。
Vol.124 ブンブンどりむ 保護者向け情報誌「ぱぁとなぁ」2025年5月号掲載
