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子育て相談 Vol.14

今月のお悩み

生活習慣

イライラカリカリせずに、正しい生活習慣を身につけさせるには?
今春3年生の息子と1年生の娘の母親です。早寝、早起き、食事、テレビを見すぎない……など正しい生活習慣が身につくよう気を配っているのですが、そうすると、子どもにカリカリ怒ってばかり。一方、近所に住む姉の家庭では、遅くまで子どもが起きて、長時間、ゲームをしています。のんびりと明るい姉一家の様子を見ていると、時々軽く落ち込んでしまいます。イライラカリカリすることなく、正しい生活習慣を身につけさせてやることができれば一番だと思うのですが……。

先生の回答

「整った暮らしは心地よいものだ」と親が実践し、示していくのが一番です。

 生活習慣を整えるのは、子どもが小さいうちのほうがいいですね。でも、そのせいでカリカリするのは、親も子どももつらいものです。
 子どもの生活習慣が整うというのは、親に細かく言われなくても、子どもが自分で考えて、あるいは習慣に沿って日々の生活が進められるようになるということです。小学校の高学年から、中学、高校と進むにつれ、子どもの生活には色々な要素が増え、複雑で忙しくなっていきます。それまでに生活習慣を整えることができれば、子ども自身の力で、学習、友人関係、クラブ活動などをうまく日々の生活に組み込んでいけます。

数か月後、数年後を見据えて穏やかに、気長に

 習慣づけには時間がかかります。親は、今言ったことをすぐ実行するとか、一度言ったら同じ失敗をしないということを求めますが、習慣づけはそのようには起こりません。一年、二年とじっくり時間をかけて整えることで、自然と子どものものになっていくものです。目指すところは、子ども自身が自分の生活習慣を整えられるようになることです。親が毎日、手とり足とり指示していては、子どもは自分の生活の全体像を見ることができません。生活のリズムは、新しい要素が現れるたび、全体で微妙な調整を行いながら、ゆっくりとできあがるものです。近視眼的に「今日はこれとこれをしなければいけないのに」「間に合わなくなるから早くさせないと」ということではなく、常に数か月後、数年後を見据えて、穏やかに、気長に導きましょう。
 また、あまり親がイライラカリカリしていると、子どもは親の指示に反発するようになります。生活習慣を整えたいと願うのであれば、整っていないときに叱るのではなく、「整った暮らしは心地よいものだ」ということを親自身が実践して、示していくようにするとよいでしょう。

 まず、「生活習慣」を切り分けて考えてみましょう。早寝・早起き・食事の時間など、生活リズムに関すること。テレビやゲームの時間、おやつの食べ方など、その家ごとのルールに関すること。今回はこの二つについて考えてみたいと思います。

時間という枠を家族で共有その中でやりくりさせる

 最初に生活リズムを決めます。大人が時間を決めて、その時間通りに暮らすことで、習慣づけていくことができます。親が子どものモデルになって、生活の仕方を見せていきます。 たとえば夕飯を6時と決めたら、5時50分に「もうすぐご飯だから、テーブルの上を片付けてください。テーブルを拭いて、お箸を出してください」と声をかけます。食事が終わったらお風呂に入り、歯を磨いて、8時半には布団に入って目を閉じる。まずはこの時間を徹底することです。宿題ができていなくても、ご飯や就寝の時間を遅くすることはありません。まず枠としてこの時間があり、その中にやりたいことを入れていく、という意識を家族で共有してください。もし子どもがその時間に寝なければ、家じゅうの電気を消して、親も一緒に寝てしまいましょう。生活の時刻が決まっていれば、子どもも自然と時刻を優先して動くようになっていきます。枠が明らかで、その中にやりたいことや、やらなければならないことがうまく収まらなければ、自分で工夫することができます。

家のルールを決めれば叱る必要なし!

 次に、ルールに関することです。おやつは4時まで、ご飯のときはテレビを消す、などのルールを、子どもと一緒に決めます。「テレビを見たいだけ見る、ということはできません。一日何時間か決めましょう」と話し合いをし、時間が決まったら「では、どうやったらそれを守れますか?」「守れなかったときはどうしますか?」と、運用方法(タイマーを使うなど)や罰則(時間をオーバーしたら、それ以降と次の日はテレビなし、など)まで決めます。決めたルールは書き留めて、徹底されるまでは見えるところに貼っておくといいでしょう。家族でそれを運用します。ルールに反したときは、ただ決めた罰を適用します。その時に「なんで約束を守らないの」「何回言ったらわかるの」というふうに叱る必要はありません。家にはルールがあり、全員がルールを守るということだけを心がければいいのです。

Vol.14 ブンブンどりむ 保護者向け情報誌「ぱぁとなぁ」2016年3月号掲載

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