子供の考える力・書く力はこうすれば伸びる!

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子育て相談 Vol.15

今月のお悩み

集中力について

嫌いな科目には特に集中できない娘。
集中力を高めるいい方法があれば教えてください。
今春小学3年生になる娘の母です。娘の集中力のなさに悩んでいます。家で学校の宿題をする時、はじめのうちは調子よく机に向かっているのですが、すぐに集中力が切れてしまい、遊び始めてしまいます。好きな計算は、比較的集中して取り組んでいますが、何度も書かなくてはいけない漢字練習はやる気が出ないようです。低学年の間はこんなものなのでしょうか……。集中力を高められるいい方法があれば教えてください。

先生の回答

体力・基礎学力が備わる「その時」までは、「とりあえず机に向かう」で充分ですが…… 。

 小学校に通う時期は、基本的な学習の習慣づけを行う時期でもあります。お子さんは、「とにかく机に向かう」というところまでできているようです。ということは、小学校低学年のうちにすべきことは、すでにできていると考えてよいでしょう。その上さらに、集中力を上げたいというご相談です。

“勉強嫌い”にしない

 まず大切なのは、集中力を上げることに気をとられて、子どもを勉強嫌いにしないよう注意しましょう。気が散るということは、その瞬間、子どもは勉強を楽しめていません。もし、楽しくなくなった瞬間にお母さんが「何やってるの! 遊んでないで早くやっちゃいなさい!」という、厳しい非難の声かけを繰り返せば、子どもは「やっているときは放っておかれて、楽しくなくなると叱られる」という経験を重ねることになり、勉強すること自体が苦痛になってしまいます。机に向かっても楽しいことが起こらないため、最初から机に向かうことを避けることになりかねません。

子ども自身に聞いてみる

 では、どのような働きかけをすればいいのでしょうか。「どんな子でも、こうすれば集中力が伸びます」という方法は、残念ながらありません。お子さんのタイプを見極めて、いろいろな方法を試してみることです。小学校3年生になれば、自分でわかる部分もあるかもしれませんから、お子さん自身に聞いてみるといいでしょう。「計算は、いつも集中して取り組んでいるよね、すごいね。漢字練習もあんな風にできたら楽しいと思うんだけど、何が違うんだろう? どうしたら、同じように楽しくできると思う?」と聞いてみてください。

「嫌いじゃない」まででOK

 また、勉強に関わるときには、明るく楽しい雰囲気で声かけするよう心がけてください。お母さんの雰囲気づくりによって、子どもに「机に向かうのは、明るく楽しいこと」「宿題をするのは、明るく楽しいこと」というイメージを持たせることができます。ピアノでも、サッカーでも、子どもにとって最初の指導者に求められるのは、正しいことを教えること以上に、「これは楽しい」「私はこれが好き」と思わせることだといいます。学習でも同じことです。「嫌いじゃない」「面白い」「やるべきことを終えるとすっきりする」さえ教えることができれば、あとは学校や塾で、自然に力が伸ばせます。

「延ばす」よりも「活かす」

 また、子どもはもともと、与えられた課題に対して長時間集中していられません。たとえば15分集中できるというときに、それを延ばしていって30分集中することを目標とするのではなく、15分を活かすことを考えてください。15分で効率よく課題をこなすために、どのような準備ができるかということ。15分が過ぎて集中が切れたときに、どのように気分転換して課題に戻るかということ。教科の組み合わせ方や、おやつや遊びとの組み合わせ、順番。親がゲーム感覚で演出できること、タイマーを活用する方法、気分転換の種類、などなど……様々なアイデアがあり、子どものタイプによって、合う方法は異なります。また、それをどのタイミングで提案するか、ということも大きなテーマです。子どもと一緒に、どうすれば楽しく集中できるかについて、ありとあらゆる方法を試してみてください。

 子どもにとって興味深い内容であれば、自然と集中が続くようになります。また、子どもに体力や基礎学力がついてくることで、集中していられる時間も延びてきます。その時が来るまでは、「とりあえず机に向かう」「宿題だけは何とか終わらせる」ということができていれば充分です。「もっと集中してほしい」「もっとたくさんやってほしい」と求めすぎず、勉強が好きな子どもに育つよう、温かくサポートしてください。

Vol.15 ブンブンどりむ 保護者向け情報誌「ぱぁとなぁ」2016年4月号掲載

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