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子育て相談 Vol.17

今月のお悩み

学校が苦手

学校に〝頑張らないと〞通えない娘が心配で……。
小学3年生の娘は、1年生の1学期間、私が校門まで付き添わねば学校に行けなかったほど引っ込み思案です。(一人っ子のせいか幼稚園の頃から集団生活は苦手でした)それでも、風邪以外では休むことなく登校はしてきたのですが、いまだに出かけに「行きたくない」とこぼすことがあります。この先やっていけるのだろうか、と心配しています。担任の先生に相談したところ、やはり教室では一人で過ごしがちなようです。今後、親として気を付けることなどありましたらアドバイスお願いします。

先生の回答

子どもは、信頼し安心している親にこそ何かあれば話そうと思います。

集団の場が苦手なのは心配することではない

 人の集まるところが大好き、学校も大好きで、休みになると「早く学校に行きたい!」と言う子がいる一方で、集団生活に対して馴染みにくく、家から出たり学校に入ったりする一歩に大変な苦労を伴う子もいます。一時的なものでなく、小さなころからずっと続く傾向である場合、生まれついての気質の影響が大きいようです。
 お子さんが素晴らしいのは、それでも風邪以外では休まずに登校しているということです。そしてお母さんが素晴らしいのは、つらい思いをしている我が子を目の当たりにしながら、そういう子であるということを理解し、子どもを支え続けていることです。
 いじめがあるとか、学校の勉強や生活に全くついていけないということでなく、ただただ集団の場が苦手だということであれば、それ自体はあまり心配することではありません。最初の一歩に苦労しても、学校にいる間中ずっと朝のつらさが続いているわけではないでしょう。一人で過ごしているというのも、人に無理に合わせず、マイペースを貫いているという、賢い対応かもしれません。

気質と頑張りを認めることで、健やかな成長をサポート

 お子さんは、学校に行かなければならないことをよく理解しています。ですから、「行きたくないな」と言うときには、心の中に「でも行かなくちゃ、頑張らなくちゃ」があります。ですから、このときに親から「そんなこと言わないで。行けばそれなりに楽しいでしょ」などと言って『行きたくない』という気持ちを押さえつけたり、「でも行かなくちゃいけないもんね、頑張ろう」と強く励ましたりしないほうがいいでしょう。「そうだね、毎朝大変だけど、頑張ってるよね」と、つらさを受け止め、頑張っているということを認めてあげてください。
 恐らくお子さんは、他の多くの子どもよりも繊細で、自分の気持ちに対して敏感なのではないでしょうか。他の子たちはほとんど気が付かないような、自分の中で起きる、特にネガディブなことをひとつひとつ重く受け止めてしまい、結果的に最初の一歩を踏み出すのがつらくなってしまうのです。
 持って生まれた気質であれば、この傾向は一生続きます。健全に成長すれば、この繊細さが人に対して発揮され、優しくて思いやりのある人として、人から深く愛されることでしょう。ですから、その傾向を変えようとするのではなく、健全に伸ばしていけるようにサポートしていきたいものです。
 お子さんに必要なのは、『行きたくない︱ 行かなくちゃ』の葛藤を乗り越えて社会に出て行く経験を重ね、自分がどういう人間であるかを知ることです。親がいつも自分のことを見ていて、「大変だけど、頑張ってるよね」と受け止めてくれれば、やがて子どもは自分で「大変だなあ。でも私、頑張ってるな」と、自分で自分を認めて、励ましていけるようになります。

悩みながら学んでいます
親は先手をとらないで!

 お子さんは、これから思春期にかけて、無理に周りに合わせたり、あるいは必要以上に強く周りを拒絶したりして、いろいろ悩むことがあるかもしれません。その中で、どのように人と生きていきたいか、どうすれば自然に自分を出していくことができるかを学んでいきます。親の仕事は、いつでも「そうだね、大変だけど、うまくやりたいんだね。頑張ってるね」と受け止めて見守ることです。
 親が「最初は大変だけど、あなたは大丈夫」と安心していれば、それだけで子どもの力になります。安心している親というのは、子どもにとって頼りになる存在です。つらい様子を見せても、親が心配しすぎることなく、どっしりと構えて優しく見守っていてくれれば、子どもは安心していられます。そして、何かあったら親に話そうと思うことができます。
 ところが親が心配しすぎると、子どもは親を心配させまいとして、自分のつらさを親に打ち明けられなくなります。親にとっては、子どものつらい様子を黙って見ているのは、とてもつらいことです。先手を打って何かしてあげたいと思うかもしれませんが、子どもの思いを優先しましょう。そして子どもが求めてきたら、できる限りのことをしてあげてください。

Vol.17 ブンブンどりむ 保護者向け情報誌「ぱぁとなぁ」2016年6月号掲載

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