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子育て相談 Vol.21

今月のお悩み

親子の相性

妻と長女との相性の悪さが気になっています。
妻と小学5年生の長女の相性が悪く、言い合いばかりしています。長女は5歳の弟の面倒をよく見てくれるのですが、その一方で、何か不都合なことがあるとすぐ弟のせいにするため、長男をはさんで言い合いになることが多いようです。私自身は、妻の長女と長男への接し方が違いすぎて、長女がかわいそうに感じることがあります。穏やかな家庭をめざし、父親として何か手を打つべきでしょうか?

先生の回答

父親、夫として、娘、妻の気持ち・考えに耳を傾けてあげてください。

気質は生まれつきのもの

 人の性格は生まれつきの気質によって異なります。気質は生まれつきで、育て方によって変わるものではありません。そして、親子や兄弟で似るとは限りません。気質によって、様々な価値観の違いが生まれてきます。「あたりまえ」や「常識」は気質によって異なります。お母さんがあたりまえと思うことも、ご長女にとってはそうでないこともあるのです。この違いは親にとって、特にきょうだいがいるような場合、「同じように育てたのに、どうしてこの子だけ…」という悩みの種になることがあります。ですからまず、気質は生まれつき、一人ひとり違うものであるということを理解しましょう。同じ親から生まれて一緒に暮らし、同じように育てられても、どこかしらは違うように育つものなのです。
 気質の違いにより、一緒に暮らす家族であっても相手の気持ちが理解できず、すれ違いが生まれるものです。

親が子どもの気持ちをくみ取ることが大切

 ご長女は弟の面倒をよく見るということですが、それも気質の表れでしょう。思いやりがあり、人の助けになりたいという傾向が強いと思われます。同時に、人のためにと働いている分、その働きを認めてほしい、感謝してもらいたいという思いもあります。
 さて、「弟の面倒をよく見てくれるが、不都合なことがあるとすぐ弟のせいにする」というのは、ご長女にとって、どのような意味を持つ状況なのでしょうか。ご長女の立場から考えてみましょう。「弟がよくないと思って親に伝えただけなのに、なぜか自分が叱られる」というふうに感じているかもしれません。「親は弟ばかりかわいがって、自分を気にかけてくれない。もっと弟も叱られるべきだ」、あるいは、「弟のせいにしたつもりはないのに、人のせいにするなと叱られて、理不尽だ」と感じているのかもしれません。ご長女が、どのような気持ちで弟のせいにして、どのような気持ちで言い合っているのか、親としてご長女の気持ちをくみ取ることが大切です。

お父さんの出番!

 お母さんとご長女の相性が悪いということは、お母さんには娘の気質がなかなか理解できないのではないでしょうか。だとすれば、ここにお父さんの登場の場があります。まずはお父さんがご長女を受け止めてはどうでしょう。ご長女に、何が起きていて、どのように感じているのかということを、そのまま理解します。良い悪いという判断は、とりあえず脇に置いて根気強く、本人の言うがままを「~と感じているんだね」と受け止めます。そうすれば、ご長女は、出来事や自分がどう感じたかを話せます。
 また、一方でお母さんの考えについてもよく聞いてみましょう。お母さんは、娘のことをどう理解しているのでしょうか。「何でも弟のせいにしてやり過ごそうとする、ずるい子」なのか、「弟のことばかりをかまってないで、自分のことをきちんとやってほしい」なのか、「何度言っても改めないのでイライラする」なのか。そして、お母さんと、ご長女の気質に関してよく話し合ってみましょう。良い悪いではなく、ご長女が何を感じていて、なぜそうするのかということを、お母さんと一緒に考えてみてください。

夫婦で家族を俯瞰する

 きょうだいは親の愛情をめぐってライバル関係にあります。同時にきょうだいは親友にもなりえます。その関係をデザインできるのが親です。お父さんとお母さんが力を合わせて、一家の互いへの思いと考え、行動を俯瞰してみるといいでしょう。そうすることで、お母さんの今後のご長女への態度やお父さんの役割が見えてくると思います。
 ここで注意するべきことはお母さんを責めないことです。「あなたの長女に対する態度には問題がある」というアプローチをしてしまうと、お母さんは話し合いたいと思えなくなります。また、お父さんには問題に見える二人の言い合いが、実際には「けんかするほど仲がいい」という価値観の母と娘が、お互いへの信頼に基づいた丁々発止のやり取りをしている可能性もあるということです。
 たくさんの話し合いや理解が必要になりますが、気質は違うものであるということを全員が理解し、「お父さん(夫)は自分の気持ちと考えをよくわかってくれて、問題解決に尽くそうとしてくれている」ということが伝われば、すれ違いからくる問題は解決に向かっていくはずです。

Vol.21 ブンブンどりむ 保護者向け情報誌「ぱぁとなぁ」2016年10月号掲載

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