子供の考える力・書く力はこうすれば伸びる!

HOME > 菅原裕子先生 お悩みパパ&ママ子育て相談 >子育て相談 Vol.24

子育て相談 Vol.24

今月のお悩み

きょうだいげんか

親がきょうだいげんかの仲裁に入るときの関わり方についてアドバイスください。
5歳の次男が、小3(8歳)の長男にけんかを吹っかけます。
結局は、互いに手を出し合い、大げんかに発展します。親が、きょうだいげんかの仲裁に入るときの関わり方についてアドバイス頂ければと思います。

先生の回答

それぞれの気持ちの受け止め役に徹してください。
感情をコントロールする力を育みましょう

上の子への負荷はけんかを増長させることに

 きょうだい仲良く過ごしてくれれば何よりですが、年齢が近い場合はとくに、毎日小さなけんかの繰り返しになりがちです。きっかけは、とにかく些細なことです。子どもなので、感情や衝動のコントロールが思うようにできず、悪く言ったり、手が出たりして、一瞬でエスカレートしてけんかになります。
 けんかの多いきょうだいであっても、心の底から憎み合っているわけではありませんから、力の強いお兄ちゃんのほうは、少なくとも最初のうちは、自然と手加減をしているのではないでしょうか。そうすると、「弟が一方的にけんかを吹っかけてきて、好き放題暴れているのに、自分はそうはできない」とストレスをためることになるでしょう。
 しかし親はついつい、話が通じやすく、感情のコントロールも身についている上の子のほうに、「事態をおさめてほしい」と期待してしまうものです。そのほうが、親にとっても、子どもたちにとっても、簡単なことだからです。ですがそれを続けていると、上の子は、「弟ばかりがひいきされている」「自分ばかりががまんさせられている」「自分の気持ちはわかってもらえない」と感じるようになります。次第にその嫌な気持ちが、けんかを吹っかける弟に向けられるようになります。こうなると手加減どころか、何倍もやり返すようになってしまいます。

暴力・暴言には「ダメ!」
ただし、裁く必要はない

 では親は、どのように関わっていけばよいのでしょうか。親の役割は、子どもたちの気持ちを落ち着ける手助けをすることです。子ども同士のけんかであるなら、どちらが悪いと裁いたり、こうしなさいと指示したりする必要はありません。子どもそれぞれの言い分によく耳を傾け、気持ちを受け止めることが大切です。
 もし子どものどちらかが、親の仲裁を求めてきたなら、まずその子の言い分を聞いてください。その時、事実かどうかということより、「それが嫌だったんだね」「それで悔しかったんだね」「こうしてほしかったんだね」ということを受け止めてください。そしてもう一方の話を聞くときも同じです。話が食い違っていても、親がその正しさを確認する必要はありません。気持ちを受け止めることが大切です。
 もし、片方の話を聞いているときに他方が割り込んでくるようであれば、「ちょっと待ってね、○○くんの話を聞いたら、ちゃんと聞くからね」と言って待たせるようにします。最初のうちは難しいかもしれません。今反論しなければ、相手の言い分が通ってしまうかもしれないと不安になるからです。それでも、親が裁かずにきちんと話を聞いてくれるということが繰り返されて、必ず自分の言い分も聞いてもらえるということがわかるようになれば、次第に待てるようになります。
 話の途中でも手が出るようであれば、「叩いちゃダメ」ということを伝えて、優しく、しかし毅然と体を抑えるなどして、物理的に止めてください。「だってあっちが叩いてくるから」と言うかもしれませんが「そうだよね、叩かれたら嫌だよね。でも、叩いちゃダメ」とはっきり伝えてください。
 無理に、何が正しかったのかを確認したり、どちらかにごめんなさいを言わせたりする必要はありません。お互いの気持ちが落ち着いて、殴り合いが収まれば、とりあえず親の出番は終わりです。親がきょうだい間で起きた「正しくないこと」を必要以上に責めると、次からは、「正しくない」ことが原因でけんかが起るようになります。「ダメ」と言う必要があるのは、暴力を振るったり、暴言を吐いたりすることだけです。暴力や暴言の原因は、お互いがまだ幼く、気持ちをうまくコントロールできないところにあります。ですから、気持ちのコントロールの手伝いをし、「でも叩いちゃダメ」というようなことだけを伝えることができれば、それで親の仕事はおしまいです。

可愛がった分、可愛がってくれる

 上の子に下の子を可愛がってほしいと思うなら、まず親が上の子を存分に可愛がることです。下の子を膝に乗せるなら、同じだけ上の子を膝に乗せてください。思春期に差し掛かるころには、親が頼んでも甘えてくれなくなります。子どもが甘えてくれるうちに、めいっぱい甘えさせておくことです。下の子がやきもちをやいて難しいということであれば、上の子と二人になれる時間を設けてください。ほんの一時間、一緒に買い物に行くだけでも、散歩に行くだけでもいいのです。それがどんな内容であっても、上の子の話したい話に耳を傾ける時間にしてください。そのような時間を持つことで、「あなたの話に興味を持っている」と伝えることができます。そしてそのような時間を何回も持つことで、「いつでもあなたを見ている」「あなたの気持ちを理解したいと思っている」と伝えることができます。

Vol.24 ブンブンどりむ 保護者向け情報誌「ぱぁとなぁ」2017年1月号掲載

一覧へ戻る
ブンブンどりむ