子供の考える力・書く力はこうすれば伸びる!

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子育て相談 Vol.27

今月のお悩み

生活

何をするにもゆっくりな娘。
この先、学校でうまくやっていけるか心配です。
2年生の娘は何をするにもゆっくり。給食を食べるのにも、授業の準備をするのにも人一倍時間がかかります。個人懇談でも2年連続で「もう少しみんなのペースに合わせられるようにしましょう」と言われています。「早くしなさい!」と急かすのがよくないとは聞くのですが、学校は集団生活。みんなのペースに合わせられないと、他のお友達に迷惑をかけることも出てくるのではないかと心配しています。

先生の回答

焦らず、どっしり構え、お子さんと一緒に対策を考えましょう。

 何をするにもゆっくりな子どもはいます。ただ、親にしてみると、なかなか「そういうものよね」で放っておくことはできません。いろいろと心配をして気をもむことも多いと思います。
 どんなことでも、慣れて要領をつかむことで、だんだんと作業は早くなっていきます。動くことそのものに慣れ、先の見通しをつけられるようになれば、無駄な動きが減り、かかる時間は減っていきます。たとえば、自分で服を着られるようになったばかりの頃には、シャツを一枚着るだけで、どちらが前だとか、どこから腕を出すとかいって、大仕事でした。数年で、ほぼ自動的に着替えることができるようになります。これと同じことで、慣れと成長で早く正確になる、ということは誰にでも、なんにでも言えることです。
 ただし、慣れたときにどこまで早くなるかというのは、個人差があるようです。せっかちなタイプの子どもは、キビキビと素早く動きます。周りに合せる気持ちの強い子も、なんとか遅れないように必死にがんばります。もともとゆっくりな上、周囲に影響されないマイペースなタイプの子になると、自分で思うペースでしか動きませんから、「もう少しみんなのペースに合わせられるといいですね」と言われることは多いでしょう。
 そういうタイプの子を早く動かすためにできることがあるでしょうか。「早くしなさい!」という声かけで急かすことで、早く動くようになるのでしょうか。恐らく、言われたときに少し早くなるだけで、それを続けたとしても、基本的な動きが早くなる、という効果は望めません。効果よりも、親に急かされることのつらさ、親子間の葛藤の大きさのほうが問題になるのではないでしょうか。

「ゆっくり+マイペース」タイプの動きを早くするには?

① 先生と協力体制を築き、情報を収集

 では、親にできることは何でしょうか。子どもが小さいうちは、先生には親のほうから「ご迷惑をおかけします…」と頭を下げ、先生との協力体制を築いて、先生の話をよく聞き、子どもについての情報を集めることです。どんなときに遅いのか、遊んでいて楽しいと切り替えられないのか、何か他のことに気をとられてしまうのか、集中していてもただただ動きがゆっくりなのか。家にいるときと、学校にいるとき、自由に遊んでいるときと、決められた課題をやっているときでは、どんな子でも動き方が異なるものです。いろいろな情報を集めましょう。そして、同時に、あまり焦らないことです。「いつか、周りに合わせられるようになる」ぐらいに、どっしり構えてください。

② “ズレ”をわかりやすく伝え、対策を一緒に考える

 子どもの成長とともに、先生との間に入って、子どもと一緒に対策を考えていきましょう。小学2年生はこの時期にあたります。先生に指摘されたことを、子どもにわかるように伝え、一緒に考えてみましょう。「もう少しみんなのペースに合せる」ということを、お子さんはどのように捉えているでしょうか。どんな場面のことを言われているか、わかっている様子ですか。本人なりの努力をしていますか。努力をしていないとしたら、理由はなぜでしょうか。遅れに気づいていないのか、気づいても必要性を感じていないのか……そういった一つひとつについて、よく話を聞いてみましょう。このときに、親が集めた情報が役に立ちます。ある程度客観的な情報と、子どもが主観的に感じていることの間には、必ずズレがあります。親はそれを、子どもにわかる部分を、子どもにわかるように伝えていってください。具体的な場面を出して、子どもの感じていることを代弁したり、先生の言いたいことを翻訳したりする必要があります。「○○ちゃんと話してると、つい夢中になっちゃうよね」「一生懸命やっているけど、どうしても追いつけないんだよね、がんばってるのに悔しいね」「休み時間のうちに着替えて、靴も履き替えて、体育の授業が始まる時間には、外に並んでいなくちゃいけないんだよね」など、など。
 そして、できるだけ子ども主導で、対応を考えていきましょう。必要に応じて、素早い動作自体を練習したり(かるた遊びや、ある種のトランプゲームなど、早い判断と速度を求められる単純な遊びが良いでしょう)、注意が向けられるように手提げの色を変えてみたり、段取りをカードにして時間割と一緒にしてみるなど、いろいろなアプローチが考えられます。このときに大切なのが、「やりたくないことをやるとき、人は動きが遅くなる」という原則を理解しておくことです。大人の気持ちのわかる子どもほど、期待に応えようとして「やる」と言うものの、期待自体がストレスとなって余計に遅くなる、ということがあります。この原則を念頭に、子どもにストレスがかからないよう配慮しながら、いろいろな手を打ってみてください。

Vol.27 ブンブンどりむ 保護者向け情報誌「ぱぁとなぁ」2017年4月号掲載

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