子供の考える力・書く力はこうすれば伸びる!

HOME > 菅原裕子先生 お悩みパパ&ママ子育て相談 >子育て相談 Vol.30

子育て相談 Vol.30

今月のお悩み

子どもの友だち

娘の〝友だち軍団〞を家に上げたくありません……。
休日になると、同じマンションに住む子ども数人が「あそぼうー」と娘(小3)を誘いにきます。
最初は外で遊ぶのですが、飽きてくると、なんだかんだと理由を作って家に上がろうとします。
以前一度入れた時は、大騒ぎして言うことも聞かず、とにかくマナーが悪く、ぐったりしました。
正直もう家には上げたくありません。
娘も友だちと家で遊びたいというのですが、何かいい対処法があれば教えてください。

先生の回答

「家には上げない」でも、「ルールを作る」でもOK“自分勝手”は許されないことを伝えましょう。

 これは難しいテーマですね。親の性格によっても、全然気にしないという人と、騒音や子どものマナー、家の汚れなどがとても気になるという人もいます。また、一緒に遊ぶ子どもの性格も影響します。比較的静かな子どもたちであれば、それほど神経質にはならないかもしれませんが、元気で時には無頓着な子どもだったりすると、迎え入れるほうも戸惑いますね。ましてや、複数で遊ぶ場合はちょっと興奮すると、全体で大変な音量になります。もう家に上げたくないというお気持ち、よくわかります。

方法その①
「家には上げない」ことにする

 もっとも簡単な方法は、シンプルに「家には上げない」で通すことです。お嬢さんにも、よその家に上がらないよう言い聞かせます。ですが、暑い時期であれば、ずっと外で遊ぶということは難しいでしょう。熱中症の危険などもあります。もし近くに公民館や地区センターなど、屋内で遊べる場所があるならば、「家で遊ぶことはできません。公民館に行って遊びましょう!」と言って、子どもたちを連れて一緒に出掛けてしまうのが良いでしょう。遊ぶのは良いが家には上げない、という姿勢を貫けば、やがて家に上がろうとすることはなくなります。子どもたちは家以外の場で、快適に遊ぶ知恵を育てます。

方法その②
親同士 連携する

マナーを教える
 つぎにマナーの悪さについて考えてみましょう。マナーは、子どものうちに学ぶ必要のあるものです。親など、そばにいる人が正しく振る舞って見せ、くり返しくり返し言い聞かせながら、徐々に習慣にしていきます。基本的なマナーが身についていれば、応用的なことはその都度考えて判断することができます。ですが、基本的なマナーが身についていなければ、考えることができません。今回のご相談の解決方法のひとつとして、可能な限り、よその家で遊ぶときはどうすればいいかを教える機会にしてはいかがでしょうか。もし、同じマンションの親たちが信頼できる相手であるならば、状況を話し合い、この機会にマナーを教えたい、と積極的に協力を求めると良いでしょう。子どもの数だけ、親もいます。力を合わせて一緒に子育てする良い機会になるといいですね。
ルールを作り、守らせる
 まずは、「いつ」「どうする」がはっきりしたルールを作ります。他の親たちと一緒にルール作りもできます。例えば、家の人が居ない時は、その家では遊べない。家に入るときは「こんにちは」「おじゃまします」と挨拶をすること。家の中で飛び跳ねたり、走ったりせず、静かに遊ぶこと。冷蔵庫や棚を勝手に開けてはいけない。4時半には片づけを始め、5時までには帰ること、などなど。ルールを決めたら、紙に書いておくなどして、誰でもいつでも確認できるようにします。そして、たとえばそれらのルールについて2回までは注意するが、それでも従わないときにはすぐ全員に帰ってもらうこと、そのあと一週間はその家では遊べないこと、など、必ずペナルティを含めて決めておきます。ここで定めるルールは、どこの家でも守るべき、基本的なものに絞ると良いでしょう。そして大切なことは、親たち自身が、ルール通りにペナルティを実行していくことです。せっかく決めたルールでも、親が「かわいそう」とか「厳しく言えない」と思って、やりたい放題をずるずる許していると、ルールは守らなくてもいいものになってしまいます。Aちゃんの家はダメと言えばダメだけど、B君の家は大丈夫というようなことが多いと、子どもが混乱するのです。そして、最終的にルールは形だけのものになり、子どもによその家での遊び方を教える力を失います。

 小学生になれば、善悪の区別そのものはつくはずです。しかし、遊びで興奮していると、冷静な判断ができなくなります。大人が根気よくルールを伝えていくうちに、子どもはやがてルールを理解して守るか、あるいはそういったことを気にせず遊べる公園などの場を選ぶようになります。そして、その公園にも、遊ぶときには守るべきルールやマナーがあることを学んでいきます。自分勝手は受け入れられないということが伝われば、結果はどちらでも構いません。根気と熱意のいる作業になりますが、いずれ子どもたちの役に立つことです。「家には上げない」と決めるのもよし、また子どもにマナーを教える機会とするもよし。是非、この機会に取り組んでみてください。

Vol.30 ブンブンどりむ 保護者向け情報誌「ぱぁとなぁ」2017年7月号掲載

一覧へ戻る
春の入会キャンペーン
入会予約キャンペーン
無料体験キット