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子育て相談 Vol.31

今月のお悩み

祖父に預けるにあたって

祖父と同居でわがままになったような……。
この春から夫の父親と同居することになりました。娘(小1)はおじいちゃんが好きなので、浮かれ気味です。おじいちゃんは「お母さんの言うことを聞きなさい」と注意をしてくれるのですが、以前よりわがままになったような気がしています。私は平日仕事をしているので、夏休みはおじいちゃんと二人で留守番をしてもらわなければなりません。約束事は守るように伝えるつもりですが、少し不安です。

先生の回答

親の決めた方針を守っていれば、祖父母の少しくらいの甘やかしはOK

過ごす時間にかかわらず、親の影響のほうを強く受ける

 「大好きなおじいちゃんと暮らせるようになったとのこと、お嬢さんはさぞ喜んでおられることでしょう。子どもを見守る目は多いに越したことはありません。おじいちゃんと折り合いが良いのであれば、お嬢さんの力になってくれることも多いでしょう。そのうえ、おじいちゃんは「お母さんの言うことを聞きなさい」と、母親を立ててくれています。こんなにありがたいことはありません。
 ひとつ知っていてほしいのが、子どもは親の影響を大きく受けるということです。たとえ、おじいちゃん・おばあちゃんと過ごす時間のほうが長くても、親子の関係がしっかりとできていれば、子どもは親の影響を強く受けて育ちます。おじいちゃん・おばあちゃんの前でわがままに振る舞うことがあっても、それは子どもなりの処世術です。子どもの根本の部分が大きく変化したということではありません。
 基本的におじいちゃん・おばあちゃんというのは、孫を甘やかすものです。自分が子育てしている時には、おやつやおもちゃを与えすぎないようにして、しっかり勉強をさせて、しつけも……としていた人たちが、孫が生まれたとたん何でも買い与えて甘やかし放題になるというのは、珍しい話ではありません。それほどまでに孫を喜びかわいがってくれるということは、ありがたいことです。

おじいちゃん・おばあちゃんが親の決めた方針に従う

 おじいちゃん・おばあちゃんが気を付けるべきこともあります。孫を甘やかさないということではなく、孫の親と、孫の親が決めたルールに対して、最大限の敬意を払うということです。たとえ自分たちのほうが孫と接する時間が長かったとしても、子育ての舵取りはあくまで親がするものであるという態度を崩すことなく、親の方針に従って子育てをする必要があります。逆に言えば、そこを守ってさえいれば、少しぐらい孫を甘やかしたからといって、問題になることはありません。
 おじいちゃん・おばあちゃんが、お父さん・お母さんに敬意を払えば、それが子どもに伝わります。すると子どもは、おじいちゃん・おばあちゃんは甘やかしてくれるけれど、結局自分はお父さん・お母さんのルールに従わなくてはならない、ということを理解します。どの方針に従うかが明確であれば、子どもが混乱することはありません。たとえ、おじいちゃん・おばあちゃんが甘やかしてくれることがあっても、それは特別なこと、ルールとは違う、ということがわかります。この体制ができていれば、少しぐらいのわがままが問題につながることはありません。
 ですがもし、おじいちゃん・おばあちゃんが、孫のお父さん・お母さんを軽んじて、「お母さんの言うことなんて聞かなくていいよ」という態度をとると、子どもは混乱してしまいます。たとえば、子どもがルールを破ってしまった時、おじいちゃん・おばあちゃんがどう対応するかは重要です。「おやつは4時までっていうルールだけど、お母さん、見てないから食べちゃいなさい」と言うのと、「4時過ぎちゃったからダメだよ、片づけて。気を付けようね」と言うのとでは、同じ「見逃す」でも意味が違います。

子育ての先輩への敬意と現役世代への敬意をもって

 今回のご質問では、おじいちゃんはお母さんを立ててくれていますから、心配ないでしょう。あとは、このようなルールでやっていますということを共有し、おじいちゃんがそのルールを尊重する姿勢さえあれば大丈夫です。
 そうなると、問題の本質は、親と子どもの関係であり、親とおじいちゃん・おばあちゃんの関係です。ここには、親同士、つまりお父さんとお母さんの関係も影響してきます。舅・姑と嫁・婿の関係ですから、特有の難しさがあるかもしれません。それでも、子育て・孫育てを一緒にしていこうと思うのであれば、率直に話し合い、相手を尊重して、細かいことには目をつぶりながら、折り合いをつけていく必要があります。
 お父さん・お母さんにとって、おじいちゃん・おばあちゃんは、子育ての先輩です。子育てで起こるいろいろな問題に対して、すでに答えを持っている可能性があります。そのことに敬意を払いましょう。そして、おじいちゃん・おばあちゃんにとって、お父さん・お母さんは、子育ての現役世代です。孫たちが育っていく環境には、昔はなかったような、様々な背景や情報、ツールが溢れています。それらを尊重しましょう。

Vol.31 ブンブンどりむ 保護者向け情報誌「ぱぁとなぁ」2017年8月号掲載

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