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子育て相談 Vol.37
おねだり
- 無遠慮に祖父母におねだりする小1の息子。〝ほどほど〞を教えるには?
- おじいちゃん、おばあちゃんに無遠慮におねだりしまくる小1の息子に、なんと言って言い聞かせればいいでしょう? 親としては、せっかくの「買ってあげる」との申し出を「絶対に断れ」とも思っておらず、ほどほどならばいいとは思っています。その〝ほどほど〞を教えたい場合、子どもにどう指導すればいいでしょうか?
先生の回答
明確なルールを決めつつ、その時がくるまで、根気よく伝えていきましょう。
小学1年生に〝ほどほど〟は難しい
結論から言うと、小学1年生の子どもが“ほどほど”を理解するのはかなり難しいことです。子どもは、目に入ったものが「ほしい!」と思うと、それを抑えることはできません。もともと遠慮がちな性格の子どもはいますが、「ほしい!」という気持ちの強い子どもがそれをコントロールできるようになるには、たくさんの経験が必要です。ねだれば買ってくれるおじいちゃん・おばあちゃんという環境がある限り、何を言い聞かせても、子どもはねだることをやめないでしょう。
〝我慢〟を教えるためなら、「ルール」を決めてしまう
子どもに“ほどほど”を教えたいなら、一番いいのは、おじいちゃん・おばあちゃんにお願いして協力してもらうことですが、なぜ、子どもに“ほどほど”を教えたいのでしょうか。我慢を教える必要があると考えるなら、“ほどほど”ではなくはっきりしたルールを決めてしまうことです。たとえば、お菓子を食べるのは3時から4時の間。おもちゃは一か月にひとつまで。 1000円以上のものは誕生日かクリスマスまで、など、お子さんにとっても、おじいちゃん・おばあちゃんにとっても、迷わず判断できるルールを作ります。そして、子どもとおじいちゃん・おばあちゃんに、親から説明をしてください。なんでも買ってもらうのではなく、ルールの中で「ほしい!」と付き合うことを教えたいこと、だから必ずルールを守ってほしいということ。そして親が率先してルールを守ります。ルールの範囲である限り、親は口を出さないで見守ります。
子どもの「ほしい!」をコントロールするのは親
「親はダメだけど、おじいちゃん・おばあちゃんなら甘やかしてくれる」というのは、子どもにとってとても幸せなことです。おっしゃる通り、すべて断る必要はありません。ただし、子どもの生活に責任を持つのは、毎日一緒に生活している親です。子どもが小学1年生であれば、まだ親が子どもの「ほしい!」の上限をコントロールする必要があります。おじいちゃん・おばあちゃんが離れて住んでいるのなら、年に数回の無遠慮なおねだりが、その子の生活や経済観念に大きな影響を与えることはありません。でももし、月に何度も会うような関係であったり、同居であったりすればなおのこと、ルールを明確にする必要があるでしょう。
〝遠慮〟の身につき方は、気質・年齢によって異なる
“ほどほど”を教えたいというのが「遠慮を教えたい」という意味だとすると、話はもう少し難しくなります。遠慮は、自分と人の境界をはっきりさせることです。もともとの気質として、とても明確な境界を持っている子と、なだらかな境界を持っている子がいます。境界の明確な子は、遠慮がちであったり、どこか人と距離を置いていたりするように見えるかも知れません。境界のなだらかな子は、人懐こかったり、どこか無遠慮に見えたりするかも知れません。これは良い悪いの問題ではなく、もともとの傾向の違いです。その子の持って生まれた気質によって、社会的な適切さの身につけ方そのものが変わってきます。いま、はっきり「ほしい!」とねだることができているタイプの子であるなら、大人から見て「遠慮ができる」状態になるには、もう少し年齢が進む必要があるかもしれません。この場合も同様にルールをはっきりさせて、子どもがその時期になるまで見守ります。「私たちはみんなあなたが大好きだけれど、それはあなたの『ほしい!』をいつも叶えるということではない」ということを、言葉を変えて何度も伝え続けることです。根気のいる作業ですが、くり返し伝えられたことは子どもの価値観として深く心に刻まれます。
Vol.37 ブンブンどりむ 保護者向け情報誌「ぱぁとなぁ」2018年2月号掲載