子供の考える力・書く力はこうすれば伸びる!

HOME > 菅原裕子先生 お悩みパパ&ママ子育て相談 >子育て相談 Vol.39

子育て相談 Vol.39

今月のお悩み

新しい環境

今春、1年生!
新しい環境になじみやすくするためには?
今春、長女が小学1年生になります。幼稚園入園時も登園後の大泣きが激しく、行事のたびに、先生方にサポートいただかねばならなかったような超内気な娘です。私自身(=母)、フルタイムで働きはじめる予定があり、娘のフォローが行き届かなくなるかも……と不安を感じています。娘が新しい環境によりなじみやすくなるような工夫などございましたら、アドバイスお願いします。

先生の回答

どんと構えていることが大切。
そして、よい聞き手となってサポートしましょう。

 ご入学おめでとうございます。新しい環境に移るときは、子どものみならず親のほうもドキドキしますね。娘さんのことを「超内気な娘」と理解されているように、子どもごとに気質があります。新しい環境に物怖じせずポンポン飛び込んでいくような子もいれば、慎重に様子見をする時間が長い子もいます。娘さんは周囲の雰囲気や細かな異変によく気づくタイプなのでしょう。また、登園後に大泣きをしたということですが、寂しかったり不安だったりという気持ちを爆発させられるというのは、ある程度まで自分の気持ちを受け止め、表現できるということでもあります。

なじむための試行錯誤は子どもの一生の糧になる

 内気な子、慎重な子、新しい環境になじむのに時間がかかる子を「早くなじめるようにしよう」というのは、いわば大人の都合です。もちろん子どもにとっても、なじめない時間は短いほうが楽でしょう。ですがなじめずに苦戦している間、子どもは自分の内気な性格について学んでいます。そしてどうすれば自分がより心地よく過ごせるようになるかも、試行錯誤の中から学んでいます。この学びは子どもにとって、一生の糧になります。

「人」「楽しみ」「達成感」
─ 手がかりは人それぞれ

 新しい環境になじんでいく手がかりは、人それぞれです。友だちができたり、先生に認められたりというように、『人』を手がかりにして学校に居場所を見つける子もいれば、授業や遊びや給食などを『楽しい』と思うことで学校を楽しみにするようになる子、勉強や学級活動などが『できた』という達成感によって学校生活に手ごたえを感じるようになる子もいます。多くの子の場合、複数の要素が絡み合って、その子なりの楽しみ方が見出されていきます。親の役割は、子どもが自分なりの楽しみ方を見出せるようサポートすることです。

質問の仕方を工夫することで気持ちの整理ができるように

 では、「学校、楽しかった?」と声をかけて励ますことがサポートとなるでしょうか。必ずしもそうではありません。新しい環境に緊張している子どもは、「楽しかった?」と聞かれると、それを単なる質問としてではなく、「お母さんは私に、学校を楽しんでほしいと思っている」という期待として感じ取ります。強い緊張の中では、子どもは親の期待を重圧に感じたり、楽しめない自分はダメだと感じたり、急かされている・強要されていると感じたりすることもあります。相手が反抗期の子どもであれば、その気持ちも「うるせー!」と吐き出せるかもしれません。しかし小学1年生の子どもでは恐らく、胸に湧き上がるモヤモヤっとした気持ちを掴みきれず、親に支えてもらえないような不安を感じるだけでしょう。お子さんは励まされたいタイプでしょうか、それとも、そっと見守られたいタイプでしょうか。
 見守られたいタイプの子にできるサポートは唯一、『いずれこの子は環境になじんでいく』と信じて待つことです。子どもがイライラしたり、疲れて帰ってきたりしても、それは当然のことだと受け止めてください。親が心配そうにしていたり、イライラしたりしていると、小さな子どもは自分の苦しさを隠そうとします。そうすると今度は、子どもがより深刻な問題を抱えたときに見えにくくなってしまいます。親は「あなたは大丈夫。もし何かあっても、最後には私が守ってあげるから、安心して挑戦しなさい」という態度で、どんと構えていてください。
 そして、学校のことを根掘り葉掘り聞くのではなく、できる限り子どもが話してきたことに耳を傾けるようにしてください。子どもが話すよう促したいときは、答えやすい質問を探してみましょう。たとえば「給食おいしかった?」と聞くより、「今日の給食は何だった? 何が一番おいしかった?」と聞くほうが良いでしょう。たとえおいしいと思えなくても答えられますし、おいしいという前向きな気持ちを探すことができます。「お友だちできた?」よりも「席の近い子とどんなこと話すの?」、「授業では何をやったの?」よりも「算数セットはもう使ってみた? どうやって使ったの?」のほうが答えやすいでしょう。具体的・限定的で、かつ「はい・いいえ」だけでは答えられない質問をするのがポイントです。子どものうれしい気持ちも、つらい気持ちも、すべて寄り添って受け止めます。お母さんに支えられながら自分で気持ちの整理ができるようになると、子どもは、少しずつ学校での過ごし方について考える余裕を取り戻していくでしょう。

Vol.39 ブンブンどりむ 保護者向け情報誌「ぱぁとなぁ」2018年4月号掲載

一覧へ戻る
ブンブンどりむ