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子育て相談 Vol.42
夏休みの過ごし方
- 夏休みのダラダラを食い止めるには?
- 5年生の長男は、夏休みはいつもダラダラと過ごし、宿題も、終わりの何日かで雑に仕上げるといったことを繰り返してきました。私(母)が、今春からパート勤務を始め、例年以上に留守がちになるため、彼はいっそうダラダラと過ごすに違いないと思われます。
そんな彼のダラダラを少しでも食い止められるような秘策があれば、伝授いただけないでしょうか。
先生の回答
親子で楽しくスケジュールを組み、管理は、子どもに任せましょう。
毎年雑にではあっても、最後には宿題を仕上げているお子さんです。親にとっても、「宿題、宿題」と言い続けるのは辛いもの。あまり心配せずに任せて、いつもよりたくさんの楽しいことを経験できるようにサポートしていきましょう。楽しい! という気持ちがあれば、自然とダラダラも解消されるのではないでしょうか。
STEP1
「子どもの期待」を聞き出す
親は子どもの夏休みに、様々な期待を持ちます。早寝早起きをしてほしいし、もちろん宿題は早めに終えてほしい。そのうえで、いろいろなことに興味を持って挑戦し、たくさん遊んでほしい。ではお子さんは、夏休みに何を期待しているでしょうか。どんな夏休みを過ごしたいか、お子さんと話し合ってみましょう。目的は夏休みの計画を立てることを通して、子どものワクワク感を高めることです。ダラダラ過ごすのは、自分が何をしたいのか思いつかない、計画が立てられないというところにあるかもしれません。夏休みは意外と短いものです。思い付きで過ごすのではなく、計画を立て見通しを立てながら、親子ともにやりたいことをやる夏休みにしてはいかがでしょう。
STEP2
「どんな楽しいことをするか」を家族で話し合う
学校のスケジュールや家族のスケジュールが揃ったら、話し合いの時間を取ります。「この夏休みは、どんな楽しいことをしたいですか」と聞いてみましょう。やりたいことや、行きたい場所など、いろいろ挙げていきます。家族でしたいことがあれば、お父さん・お母さんの意見も挙げてみてください。気になっていたのに行っていない場所、夏ならではのレジャーなど、様々な楽しみがあるでしょう。実現できそうなものをいくつかピックアップして、具体的に話をしてみます。
STEP3
予定&宿題をカレンダーに振り分ける
夏休みへの期待が膨らんだところで、実際の計画を立てていきます。カレンダーなど、夏休み全体を一覧できるものを用意します。最初に、宿題や習い事、部活や登校日などのほか、旅行や帰省など、すでに決まっている予定を書き込んでいきます。これだけでもかなりの分量があり、自由になる時間は意外と少ないことを目で確認することができます。お父さん・お母さんの休みが限られていて、遊びに行ける日が決まっているようであれば、それもこの段階で押さえてしまいます。
そして、子どもの宿題の内容がわかったら、空いている時間に振り分けていきます。この日に何時間勉強をする、という振り分け方ではなく、この日に漢字ドリルを何ページまで、この日に計算プリントを何枚、というふうに、宿題の量で振り分けていきます。大人は、早め早めに仕上げようとするものですが、あまり欲張らず、夏休み全体に均等に振り分けられるよう見守ってください。そして、ある程度無理のない計画ができたら、まずそれでやってみましょう。
STEP4
計画の進み具合について、週に一度、報告してもらう
夏休みに入ったら、親は宿題の管理は子どもに任せて、「終わったの?」「早くやっちゃいなさい」などの声かけはしません。その代わり、毎週末などの決まったタイミングで、計画の進み具合について報告を受けると決めておきましょう。報告のタイミングでは、どのぐらい進んだかを報告してもらいます。その時、子どもの立てた予定に対してそれなりに進んでいれば「がんばってるね」と声をかけます。もし苦戦している様子があれば、何ができて、何ができなかったかを確認したうえで、計画の立て直しを求めます。
お子さんの様子で気づくことがあれば、それを伝えてください。たとえば、予定では3時間続けて漢字ドリルをやろうとしているが、そんなに集中が続かないとか、夜更かしのため朝が遅くなりがちで、予定通りに時間が取れないなど。「気づいたことがあるんだけど、言ってもいい?」と前置きして、お説教にならないよう気をつけながら事実を指摘します。そして、「どうしたら、予定通りに進められる?」と子どもの意見を求めます。
ポイントは、PDCAです。計画(PLAN)し、実行(DO)し、検証(CHECK)し、修正(ACTION)するというプロセスを、子ども自身が回すことです。親はつい、子どもの代わりに計画し、子どもをせっついて実行させ、計画通りでない時には子どもを叱りがちです。子どもに、ちゃんとやることを教えたいと願ってのことですが、大人がやらせている限り、子どもは自分から進んでやることを覚えません。計画の報告と、計画を立て直すときと、子どもが求めたとき以外は、口を出さないようにして見守りましょう。
Vol.42 ブンブンどりむ 保護者向け情報誌「ぱぁとなぁ」2018年7月号掲載