子供の考える力・書く力はこうすれば伸びる!

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子育て相談 Vol.48

今月のお悩み

飽き性

何でもやりたがり、欲しがるくせに、どれも長続きしません。
2年生の男の子です。何でもやりたがり、欲しがりで困っています。その割にどれも長続きしないし、ひとつのことに熱中することがありません。
何か気持ちの上で満たされない部分があるのでしょうか。
愛情をかけて育てているつもりなのですが……。

先生の回答

もの、経験ともに「与えすぎないこと」を通して精査する力、楽しみを作り出す力を育みましょう。

愛情不足が心配なら、一緒に過ごす時間を長くしても

 次々に新しいものや経験を欲しがる、というのは、誰にでもある傾向です。新しいものから受ける刺激や興奮を求めて、人はまだ持っていないもの、知らない新しいものを開拓していきます。この好奇心や熱意によって、人類は大変な進歩を遂げてきました。ただ、この傾向が強い人ほど、ご指摘の通り、気持ちの上で満たされない部分がそのまま「もっと次のもの」「他の新しいもの」に向いてしまい、飽きっぽい性質として表現されてくる可能性があります。
 ひとつのことにじっくり取り組んで、大器晩成型で熟成させていくのが得意な人と、多くの異なるものを組み合わせて、次から次に新しいものを切り開いていくのが得意な人がいます。優劣はありません。ですが、我が子のこととなると、親は気を揉んでしまうかもしれません。大器晩成型の子には「もっと要領よく、積極的にやってほしい」、開拓型の子には「もっとひとつのことにじっくり取り組んでほしい」と願いがちです。まず、子どものそのような性質に対してあまり神経質にならず、おおらかに受け入れることも必要かもしれません。愛情不足が心配であれば、子どもの甘えを受け入れて、一緒に過ごす時間を長くとるようにすることで、変化があるかも知れません。ですが、ただ個性の範囲内で飽きっぽさが出やすいだけ、ということかもしれません。

第一に、与えすぎないこと
─お金を管理する力、主体的な行動力を育もう

 では、もしそれが個性だとするなら、そのような子に粘り強さを教えるためには、どうしたらいいのでしょうか。第一に、与えすぎないことです。「欲しい」というたびに買い与えることは、飽きたらすぐ次に行くことを教えるようなものです。だからといって、「だめ」「買いません」とだけ言うと、むしろ「買って買って!」と主張することへの熱中を育ててしまいます。こうなると、欲しかったものを手に入れる瞬間はとても達成感があるのですが、手に入れたものへの興味はそれほど大きくなく、やはりすぐに飽きてしまいます。このような対応では、あまり教育的な効果は期待できません。
 是非、ものを与えすぎないことを通して、欲しいものを精査することを教えましょう。特別なものはお誕生日かクリスマスなど、手に入るタイミングを決めておいて、これだと思うものを選ぶことに力をかけさせます。小学2年生ということですから、お小遣いを与えて管理することを教えてもいいかもしれません。定期的に貰える小さな金額を決めておいて、貯めておけば少し大きなものも買えるし、使ってしまえばなくなってしまう、という体験をさせてください。親から見て無駄だと思うようなものに浪費してしまっても構いません。お金を使う楽しさもぜひ学んでおきたいものです。目先の小さな楽しみと、後の大きな楽しみを天秤にかけ、時に我慢したり、時にぱっと使ってしまったりする経験を、小さな金額で積み重ねることが、この先の人生で役立ちます。
 経験も、ただ与えていくのではなく、子どもから選んで求めるようにすると良いでしょう。次の休みに動物園に行きましょう、というのではなく、「日曜日、出かけようかと思うんだけど、どこがいいだろう。朝10時ぐらいに出て、夕方5時ごろには帰ってきたいな」と相談してみてください。楽しみは誰かから与えられるものではなく、自分で調整して作り出すものであるということを教えていきます。「スイミング習ってみたら?」というのではなく、「何かスポーツの習い事をしたらいいと思うんだけど、何がいいだろう」と相談して、予算や、親の送迎の都合などを伝え、自分で調べさせてみるという方法もあります。

これができれば、また、楽しみが広がるという視点

 そしてもうひとつ身につけたいのが、今取り組んでいるものの新しい側面を見出す力です。なんでも最初の頃は、やればやるだけうまくなるので、楽しみが続きます。器用な子ほど、この最初の伸びが大きい分、伸びが終わると楽しみが得られにくくなってしまいます。そんなとき、今取り組んでいることの少し先を見て「次はこれができるようになる。そしたら、こんなふうに楽しみの幅が広がる」という視点を持つことで、今の取り組みから新しい楽しみを見出すことができます。いつも子どもが取り組んでいることについて、今何を楽しんでいるのかに耳を傾け、さらに「それができると、次はどうなるの?」と、先のことに目を向けさせてみましょう。そして「それは楽しそうだね」という会話をくり返すうち、子どもは自然と、今取り組んでいるその先を見る習慣がついていきます。あんまり面白くないな、と思ったときも、すぐに投げ出さず「どうしたらもっと面白くなるだろう」と考えるようになるでしょう。

Vol.48 ブンブンどりむ 保護者向け情報誌「ぱぁとなぁ」2019年1月号掲載

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