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子育て相談 Vol.49

今月のお悩み

携帯電話

娘が携帯メールにロック。気になります……。
小5の娘に携帯電話を持たせたところ、メールにロックをかけてしまいました。
まだ小学生ですので、娘がどのようなメールのやり取りをしているのか親として把握しておくべきだと思う反面、彼女にもプライバシーがあるし、信用してないようで注意するのは逆効果かな……と悩んでいます。携帯を買い与えたときに決めておくべきことだったかと思うのですが、どのように対処すべきなのでしょう?

先生の回答

親の求める「安全」と子どもの求める「自由」の折り合いを探しましょう。

親の保護・管理の程度は、親子で決める

 お考えのように、もし携帯を買い与えるときに決めて伝えていれば、比較的すんなり受け入れることができたことかもしれません。一度与えたものを後から取り上げるようなやりかたは、親としても心苦しいものです。ですが、親として子どもの安全を守らなくてはいけないのも確かです。どこで線を引くべきか、正しい答えはありません。それぞれの家庭で、個別に話し合いながら決めていく必要があります。
 思春期に入ろうという子どもに対して、親の保護・管理をどの程度にするかというのは、とても繊細な問題です。この時期の子どもは一人前の大人として振る舞いたいと思っており、親の管理を嫌がります。ですが、まだすべてを任せることができる段階にはありません。このようなときは、「ここまではいい、でもこれはダメ」という明確な限界を決めて、その範囲での自由は完全に保障する、という枠組みを決めていくと良いでしょう。あれもこれもと気づいたことに口出しするのではなく、これだけを守れば絶対に大丈夫、という上手なルールを作ることです。携帯などの新しいものを導入するとき、進学などで生活のリズムが変わるとき、この限界の設定について子どもと確認し合う必要があります。

親の不安を素直に伝える

 携帯を例にとって考えてみましょう。たとえば、子どもが深夜まで携帯を使っていて睡眠時間が減るとか、宿題もせず、食事中にも携帯をいじっているということは、通常ダメなことです。子どもにも、それまでの生活習慣から考えて、それがダメだということがわかります。ですから、携帯を買うときに「帰ってから宿題が終わるまで、食事中、夜の何時から朝の何時までは預かり、そこで充電します」というようなルールは、比較的合意を得やすいでしょう。
 ですが、メールのロックについてはどうでしょうか。そのルールについて考えるとき、親はどんなことを心配しているでしょう。SNSを通じたいじめに巻き込まれるかもしれない、悪意のある大人とやり取りをして犯罪に巻き込まれるかもしれない、というところでしょうか。携帯を持たせるということは、そのようなリスクに子どもをさらすということでもあります。一方で子どものプライバシー、友だちとの「通常の」やり取りの内容まで確認するのは不適切だという気持ちも持っておられるようです。
 まずは子どもと、その親の不安についてよく話をすることです。「あなたは生活習慣もしっかりしていて、携帯を使う時間も守れると思う。だから、食事と宿題、寝る時間以外は、自由に使っていい」と、どこまでは任せられると思っているかを伝えます。そして、懸念について伝えます。「でも最近では、子どもが携帯を使うことで、今までになかった種類のいじめが起こったり、犯罪に巻き込まれたりすることもある。これは、あなたがしっかりした子だから大丈夫と言えるようなものではなく、私たち親にとっても、どうやって防げばいいか、まだよくわからないもの。だから、携帯のすべての機能をあなたの自由に使えるようにしてしまうことには不安がある」そして、「あなたのプライバシーも大事だと思う。だからどこに線を引いたらいいか、一緒に考えよう」と話してみることが必要です。
 大切なのは「子どもだからダメ」「心配だからこうする」という親の立場からの押し付けではなく、親の求める「安全」と子どもの求める「自由」の折り合いを探すことです。はっきりした答えが見つけられなければ、「まず最大限に制限した状態から始めて、必要に応じて徐々に制限を外していく形で、使いながら落としどころを探そう」というような提案になるかもしれません。具体的な方法としては、ウェブサイトやメールに対するフィルタリングや、転送などを使った親による内容の監視が、最初は必要かもしれません。

「後から制限した」ことには、フォローが必要

 ご質問の核にもうひとつ、「携帯を与える前に決めなかった」ということへのフォローをどうするかという問題があります。これについては、親の不手際を詫びるしかありません。子どもがメールにロックをかける可能性に思い至らず、後でリスク気づいて心配になったこと、後から制限することが申し訳ない気持ちについて、率直に話しましょう。このとき「あなたがこうするかもしれないから心配」と伝えると、子どもを責める言いかたになってしまいます。「後でこういう可能性に気づいて、私はとても心配になってしまった」と、親の心配を穏やかに伝えます。子どもは反発するかもしれませんが、子どもの安全を守るのが親の責任である、ということを伝えながら、交渉を受け入れてもらえるまで根気強く働きかけてみましょう。

Vol.49 ブンブンどりむ 保護者向け情報誌「ぱぁとなぁ」2019年2月号掲載

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