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子育て相談 Vol.6

今月のお悩み

しつけについて

夫婦共働きで、平日は時間に追われています。
イライラせずに子どもと深く関われるコツを教えてください。
小学6 年生と2 年生の息子がいる働く母です。夫婦共にフルタイムで働いており平日は二人とも時間に余裕がなくイライラしがちです。
その分、休日の家族一緒の時間を大切に過ごせば……と思ってはいるのですが、時々、「子どもの日々の変化(成長)を見過ごしていたんだなぁ」とか、「あっ、この子は遠慮したんだなぁ」と思い知らされる瞬間があり、悲しい気持ちでいっぱいになります。
働いていても、子どもと深く関われるコツなどありましたら教えていただけませんでしょうか。

先生の回答

子どもとの時間、夫婦の時間、そして、自分の時間……とより意識的に過ごしましょう。

「家=みんなの疲れを癒す場所」と位置付ける

 働きながらの子育て、頑張っていますね。毎日の忙しさの中で、ついイライラしてしまいますよね。よくわかります。
 一日働いて、疲れて帰って来て、そこからまた家事をして、子どもの話を聞いたり、宿題を見たり、きちんと食事をさせて風呂に入れ、時間には寝かせる。十分に休まる間もなく次の日が始まります。子育てと仕事を両立しようと思うと、どうしてもハードな日々を送ることになります。やることに精いっぱいで、子どもの心を置き去りにしているかもしれないと心配になります。
 子どもも、一日学校でいろいろあって、そのあと学童だ、塾だ、習い事だ、と彼らの仕事をこなし、疲れて帰ってきています。疲れているのは、親だけではありません。
 そこで、家を、みんなの疲れを癒すための場所と位置付けます。もちろん、お母さんにとっても、お父さんにとっても、十分に疲れを癒す場所でなくてはいけません。全員の協力と譲り合いは必要ですが、誰かの我慢の上には成り立たないことです。

エネルギーと時間を残すための覚悟と工夫

 家を癒しの場所にするためには、いくつかの覚悟と、さまざまな工夫が必要です。
  まずは、家事やあれこれについて、完璧にやろうとするのはやめましょう。最小限の労力で、最低限必要なことをこなせるように工夫し、できる限り多くのエネルギーと時間を残すようにします。そして、そのエネルギーと時間は、できる限り家族のコミュニケーションに割くようにします。
 いろいろな工夫の仕方があります。いろいろな人が本などで紹介していますから、自分たちの暮らしに合うものを探して参考にするとよいと思います。
 たとえば、生活を朝型に変えて、朝のうちに夕飯の支度までの家事をすべて済ませてしまうようにします。夜、帰宅して夕飯を終え、片づけをしたら、あとは子どもと過ごす時間と決めます。子どもが寝たら、夫婦で過ごす時間です。親子の時間同様、夫婦の時間も大切にしてください。夫婦のコミュニケーションが取れていれば、子育ても力を合わせてできます。

「◯◯のための時間」と意識的に過ごす

 次に、一日の時間を見直してみてください。一日をどう過ごすかを、見直します。「忙しい、忙しい」と過ごしてしまうと、結局子どもとの時間も、夫婦の時間、自分との時間もあっという間に、過ぎてしまいます。
 時間を意識して、この30分は子どもとの時間と決めたら、そのことだけに意識を向けるようにしてみてください。意識があるだけでいろいろなことが見えてくるのに気付きます。たとえ、10分でも15分でも、自分の時間もとるようにしてはいかがでしょうか。寝る前の時間に、一日を振り返れば、次に子どもとやりたいこと、話し合いたいことが見えてきます。

子どもと「忙しさ」を共有する

 子どもも、小学生にもなれば、身のまわりのことはおおむね自分で管理できるようになります。必要以上に子どもの世話をするのではなく、子どもの仕事は子どもに任せましょう。そして、家事についてはどんどんお手伝いを頼みましょう。家族の一員、貴重な戦力として子どもに役割を与え、親の役に立つ経験をしてもらいます。
 つまり、親が自分の忙しさの中に没頭することを避け、子どもと一緒に働く工夫が、子どもとのコミュニケーションの機会を増やします。忙しい親に遠慮してしまうような子ほど、親の役に立つことそのものが、心の癒しになります。積極的に子どもを頼りましょう。
 もちろん、子どものほうも甘えて、自分の仕事を「やって~」と要求してくることがあります。そういう時は、それがコミュニケーションであり癒しだと考えて、喜んで受け入れましょう。
 甘え方は子どもによってそれぞれです。ひたすらしゃべり続ける子もいれば、小学生になってもしきりに親の膝の上に乗りたがる子、黙って同じ部屋で本を読んでいる子など、甘え方はそれぞれです。子どもの様子をよく観察して、短い時間の中でも、子どもが十分に甘えられるようにしてください。より深く関わるために、今あるそれぞれの接点で、より意識をもって関わることです。

Vol.6 ブンブンどりむ 保護者向け情報誌「ぱぁとなぁ」2015年1月号掲載

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