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子育て相談 Vol.63

今月のお悩み

友だちづくり

内気で友だちができません。
今春、小学2年生になる息子は内気で、気の合う友だちがいません。学校のクラスは、幼稚園と保育園出身者でわかれて仲良しグループができているようなのですが、息子(保育園出身)は、闘いごっこを好む活発な保育園の子どもたちと昔からなじめていません…。放課後の学童保育でも、保育園出身者が多く、ずっと遊びの輪の中に入れてもらえないようです。休みの日も家で一人で遊んでいる息子を見ていると、この子はずっと友だちができないままでは? と心配になります。

先生の回答

お子さんの話をよく聞いて、気持ちを受け止めてあげてください。

 入学して一年たっても、クラスで気の合う友だちができなかったので、ずっとこのままなのではと心配なのですね。子どもに友だちが少ないこと、放課後や休みの日に、友だちと遊びに行かないことを心配する親は多いものです。

友だち付き合いへの関心の持ち方を確認しましょう

 まずは、お子さんがどういう状況にあるのか、確認していきましょう。子どもの話によく耳を傾けてください。休み時間はどのように過ごしているのか、それが子どもにとって楽しいかどうか。なんとなく近くの子と喋っている子もいれば、一人で絵を描いている子もいるでしょう。クラスの流れに乗って一緒に遊んでいる子もいれば、ぼんやりして過ごしている子もいるかもしれません。本人はその過ごし方に満足している様子ですか? 周りの人はどう過ごしているのか、聞いてみてください。周りに注意を向けている子もいれば、向けていない子もいます。羨ましいと思って見ている子もいれば、観察を楽しむだけで、入りたいわけではない子もいます。子ども自身の、友だち付き合いへの関心の持ち方で、いくつかの場合に分けて考えてみましょう。

〔友だちが欲しい場合〕
よく話を聞いて、行動を促す

 友だちが欲しいと思うのに、何らかの理由でうまく関わることができない場合。内気なお子さんの場合、一緒に遊びたいと思うけれども、どう声をかけていいかわからないということが多いでしょう。もしかしたら、声かけに失敗して恥ずかしい思いをしたり、寂しい思いをしたりしたことがあるのかもしれません。大人からすれば「恥ずかしがらずに、遊ぼう、って言えばいいのに」というところですが、子どもにとっては、なかなかそうはいきません。抱えている悩みを、親に軽くあしらわれると、傷ついてしまうかもしれません。この場合、とにかくよく話を聞いてあげてください。誰と仲良くなりたいか、仲良くなってどんな遊びをしたいかについて話したら、「いつ声をかけたらいいかなあ」「なんて声をかけたらいいかなあ」と質問してください。子どもが答えを持っていたら、まず「じゃあ、試してみて、どうなったか教えてよ」と促してみてはいかがでしょう。子どもが答えを持っていなかったら、「昼休みは長いから、声かけやすいんじゃない?」などと提案して、行動を促してください。いつ・どこで(休み時間の最初?給食の前?)、誰に(一人に? グループに?)、どのように声をかけるかについて、一緒にいろいろイメージしてみましょう。できそうだ、と思ったものを試しながら、少しずつ自分にあったやり方を探すことができます。
 家ではいろいろ考えられるのに、学校ではうまくできないというケースもあるでしょう。なかなか解決しないと思ったら、担任の先生に相談して、学校での様子や、相手の子の様子などを教えてもらい、アドバイスをもらうこともできます。今回のご質問とは違うかもしれませんが、友だちに対して乱暴に関わったせいで、仲間に入れてもらえなくなってしまったような場合にも、現場で毎日子どもたちの様子を見ている先生から情報をもらい、意見を聞くことは有効です。

〔友だちを欲しがってない場合〕
本人が困っていなければ心配の必要なし

 一方、子どもには特に誰かと一緒に遊びたいという気持ちがない、というケースもあります。大人でも、社交的で付き合いのいい人がいる一方で、一人の時間を大切にする人もいます。子どもでも同じことです。この場合、日々の活動の中で困っていることがないのであれば、親が心配することはありません。友だちがたくさんいることより、自分らしい人付き合いの方法を知っていることのほうが、ずっと大切です。ですが、友だちを欲しがらない時の様子が、単に性格の問題、個性の範疇ということではなさそうだ、と不安になるかもしれません。もしそうなら、子どもに友だちをつくらせる方法を考えるより、子どもの状態そのものについて、先生や専門家の意見を聞いてみてはいかがでしょう。

そして、いずれの場合も、やがて気の合う・話の合う友だちと巡り会えるように、子どもの世界を広げておくのは大切なことです。クラスの子たちに人気のあるような習い事をしてみるのもいいかもしれません。友だちを求めていない子どもでも、同じ趣味の友だちとは、学校とは違う関わりが生まれるかもしれません。
 小学校の低学年では、これまでに過ごした時間の長い子や、家が近所の子と一緒に過ごすことが多いものですが、中学年に向けて徐々に、気の合う子・好きな子と関わる割合が多くなっていきます。お子さんの状況も変わっていくはずですから、何よりもよく話を聞いて、気持ちを受け止めてあげてください。親が心配するほど、子どもは人間関係に対して無力ではありません。ただ、まだ学んでいないことがたくさんあるだけです。心配しすぎず、いつか学ぶ日がくると、成長を楽しみに待っていてください。

Vol.63 ブンブンどりむ 保護者向け情報誌「ぱぁとなぁ」2020年4月号掲載

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