子供の考える力・書く力はこうすれば伸びる!

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子育て相談 Vol.68

今月のお悩み

スマホ・ゲーム

スマホ・ゲーム解禁の年齢を引き下げるべき?
我が家は中学1年生の長女と、小学3年生の長男の二人きょうだい。長女には、「小学生の間はスマホもゲームも禁止」を守らせました。長男にも我が家の方針として伝えているのですが、新型コロナウイルス感染症対策として急激なIT化の動きに、親として、この方針を貫くべきか迷っています。アドバイスお願いします。

先生の回答

親子でしっかり話し合いよりよいルールをつくっていきましょう。

 親自身がこの状況で、すでにあるルールに対して疑問を持ったことは、素晴らしいことではないでしょうか。時代の流れを前にして、これまで親が信じて子どもに伝えてきたことだけが正しいのかどうか、いつも問い直していくことは、とても大切なことです。お子さんにもぜひ、ルールを守る力だけでなく、悩む力、仕組みをより良いものに洗練させていく力を身につけてもらいたいですね。そんなことを一緒に考えるときにきているのかもしれません。

そもそもなぜ禁止なのか?
──折衷案という手も。

 まず、長女に「小学生の間はスマホもゲームも禁止」という方針を設けた理由は何だったのでしょうか。再度振り返ってみてください。そこには、何らかのはっきりとした価値観があったはずです。そして、今何故その気持ちが揺らいでいるのか、言葉にして整理してみてください。「小学生の間はスマホもゲームも禁止」というのは、ある価値観を具体的なルールとして表現したものです。今、その価値観そのものを変化させることが求められているのか、それともその価値観は守りながら、急激なIT 化に対応するために、ルールとしての表現の仕方を変える必要があるのか、そのあたりのことを両親で話し合いをしてみましょう。
 「小学生の間はスマホもゲームも禁止」とあるのですが、それはその年齢でゲームやインターネットアプリを使って、時間を浪費したり、夢中になりすぎて依存状態になってしまったりすることを怖れてのことなのでしょうか。もしそうなら、インターネット利用のための環境を整えることができます。例えば、違法なサイトや有害なサイトにアクセスできないようにフィルタリングサービスを利用するのは大切です。また、スマホのように個人的に使用するものは避けて、PC など簡単に持ち運びのできない端末で、親の目につくところで時間を決めて使うというルールがあれば、子どもを守ることができるかもしれません。

親の考えを子どもたちに伝え、意見を聞くプロセスが大切

 もし親の意見として、タブレットやPC を買い与えることが妥当かもしれない、ということになったら、子どもたちの意見を聞いてみましょう。お姉ちゃんにもぜひ参加してもらって、家族会議を開きましょう。親の価値観を伝え、これまでのルールを伝え、そして、今このような状況になったため、新たにこう考えていると、親の考えを整理して伝えます。
 ポイントは、まず、親の考えを率直に伝えたら、子どもの意見を聞くことです。結果的に下の子が、何らかの端末を使うようになったとき、きょうだい間で不公平感が出ないようにするためには重要なプロセスです。
 タブレットなどを買い与える目的を明確にしておきましょう。遊ぶためでないなら、そのこともはっきりさせておく必要があります。目的に沿った使い方をするためにどんなサポートが必要かを考えてみましょう。小学校三年生の子どもにとって、タブレットなどの利用を自分で管理するのは、かなり難しいことがあります。まずは親が管理して、決まった時間だけ持たせるようにするところから始めても良いでしょう。
 まだ小学生ということですし、上の子のスマホと違うルールで運用していくということも考えられます。今まで「スマホは中学生になってから」だったものが、「スマホやタブレットで遊ぶのは中学生になってから」になるかもしれません。年齢による区別がきょうだい間にあるのは、今まで通り、当然のことです。
 ゲームについても、全面的に禁止をするのか、特定の時間帯やゲームの内容によって許可するのか、決めておいたほうが良いでしょう。これについてはきっと、中学一年生のお姉ちゃんの意見が役に立ちます。どんなゲームがあるのか、どんな機能があるのか、教えてもらいながら話し合いを進めていくと良いでしょう。

 家で過ごす時間が増えたことで、子どもも大人も、ウェブサイトの閲覧や動画視聴、ゲームに費やす時間が増えました。うまくコントロールできないと困っている親も多くいます。ただ道具を与えるだけではなく、子どもがしなくてはならないことは何か、したいことは何かをはっきりとさせながら、それをうまくサポートする形で、新しい道具を取り入れていきたいものです。そのためには、話し合いが大切になります。親がルールを決めて子どもに守らせるのではなく、親の希望や心配、子どもの希望や心配を出し合って、より良いルールをつくっていきましょう。

Vol.68 ブンブンどりむ 保護者向け情報誌「ぱぁとなぁ」2020年9月号掲載

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