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子育て相談 Vol.7

今月のお悩み

友人関係について

ごく限られた友だちとしか遊ばない娘。
たくさんの人と関わってほしいのですが……。
今春、3年生になる娘は、お気に入りのごく限られた友だちとは一対一で楽しく遊べるのですが、集団に混ざって遊ぶのは苦手です。
幼稚園の頃からそのような傾向はあり、親が介入できる時は彼女の背中を押すなどしてきたのですが……。
私自身、人付き合いが得意ではないだけに、娘にはこの先、多くの人と関わり合っていってほしいと願っています。
親として、娘をどんなふうにリードしてやれるものでしょう?

先生の回答

人との付き合い方の傾向は、気質に拠るところ。
まずは、その傾向を尊重しましょう。

「一対一が楽しい」=「集団が苦手」ではない

 親として子どもの友人関係は気になるもの。ある特定の友だちと一対一でばかり遊んでいる姿に、これでいいのだろうかと不安を感じるのは当然のことと思います。このままでは、少ない友人の中で、特定の付き合い方しかできなくなってしまうのではないかと心配しておられますか? 付き合う相手が少ないと、広い世界に目を向けることができなくなると考えておられますか? お子さんには、どのように人と付き合ってほしいと望んでおられますか?
 人はそれぞれ、他者との関わり方について、一定の傾向を持っています。みんなでワイワイやるのが好きな人、少人数で深く付き合うのが好きな人。生まれもった気質と、後から学ぶことの組み合わせによって、人付き合いのスタイルが決まっていきます。
 娘さんの気質は、狭く深くの付き合いの中で、一対一で関わりたいと求めているようです。広く浅く、大人数でワイワイと関わるよりも、いつもの相手と一対一で関わるほうが楽しく、安心感があると感じているのでしょう。そのような傾向は必ずしも、集団との関わりが苦手であるということとイコールではありません。ただ、どちらが好きかと言えば、一対一を選びがちだということです。

「好む付き合い方」を基礎に「その他の付き合い方」が成熟する

 一方で親御さんは、子どもには多くの人と関わり合っていってほしいと願っています。いろいろな人と関わり、様々な刺激を受けることは、人生を豊かにしますから、そう願うのは当然のことです。
 しかし、そう願うあまり子どもに「いつもの相手と一対一で遊ぶのではなく、集団に混ざって遊びなさい」と求めることは、必ずしもいい結果を生みません。
 娘さんはまだ小学3年生ですから、これから様々な出会いの中で、いろいろな人との付き合い方を学んでいきます。ところが親が、彼女の人付き合いスタイルにあまりに干渉しすぎることで、本人の自然な成長を妨げることにもなりえるのです。
 子どもの人付き合いスタイルに、最も大きな影響を与えるのは、その子が持って生まれた気質です。その気質によって、少人数を楽しんだり、大勢の中に飛び込んで行ったりする、基本的な好みの人付き合いのスタイルが決まります。その基本があって初めて、応用としての「その他の付き合い方」が成熟していきます。
 たとえば、優しく引っ込み思案で、ずっと「自己主張が少ない」と言われ、いつも少人数としか遊べなかった子が、社会人になってから「気持ちをよく理解してくれる、器の大きな頼れる人」として、大勢に慕われるようになり、人に囲まれるようになることがあります。果たして、この子どもに「もっとはっきり自己主張しなさい」「積極的に大勢の中に飛び込んでいきなさい」と伝え続けて育てたとしたら、同じ結果になったでしょうか。
 集団での関わりをあまり好まない子に対して、遊ぶ時まで「集団で!」と求めると、その子どもが生まれつき求めている「狭く深い人付き合い」を育てるチャンスを奪ってしまいかねません。
 まずは、そういう傾向を持った子であること、そこがその子の人間関係の基礎であることを知り、子どもが人付き合いについて学ぶチャンスを十分に確保するようにしてください。

イベントに誘い親がみんなと楽しく過ごす様子を見せてもOK

 親が何か働きかけをするのであれば、「みんなで遊んでみたら?」と言うよりも、自然とみんなで遊ぶような場を設けるほうがよいでしょう。
 子どもたちで何かを作ったり、遊んだりするようなイベントへの参加を打診してみてはいかがでしょうか。毎日のことではなく、一回一回の特別なイベントであれば、子どもも思い切って参加しやすいのではないでしょうか。
 そして、親がそうする姿を見せることで、大勢の中でも楽しむことができることを伝えてはいかがでしょうか。親御さん自身が、人付き合いが得意ではないと感じておられるようですが、お子さんと一緒にグループ活動に飛び込んで行ってみてはいかがでしょうか。

Vol.7 ブンブンどりむ 保護者向け情報誌「ぱぁとなぁ」2015年4月号掲載

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