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子育て相談 Vol.74
“生活”
- テレビやゲームの時間を減らしていくには?
- 小学3年と1年の息子たち、新型コロナウイルス感染症の影響で、この一年、テレビとゲームに費やす時間がものすごく増えました。当初は、ストレス発散になればと容認していたのですが、コロナ収束の目処が立たない今、このまま許していていいのだろうかと気になっています。子どもたちを、有意義な過ごし方へと誘導するよい方法があれば教えてください。
先生の回答
親子で楽しく続けられる
一週間の時間割をつくりましょう。
新型コロナウイルスは、私たちの生活を大きく変えました。現在もなお、大きな影響を受けています。最初の緊急事態宣言が出たときは、十分な準備のないまま、みんな手探りで対応しました。子どもたちの学校が長い休みになった地域も多く、外に遊びに出ることもままなりませんでした。親もまた、急遽テレワークとなり、自宅で仕事をした人も多かったでしょう。
そんな環境の中で、一人で静かに遊べるゲームやテレビは、子どもの暇つぶしに、気晴らしに、ずいぶん活躍しました。急な事態への対応として、親たちが目をつぶって容認したのも頷けます。しかし、そんな生活も、間もなく一年になります。このままでいいのかと心配になるお気持ちもよくわかります。
ゲームやテレビを終わらせるのは難しい
まずは、お子さんと話し合いましょう。率直に話すのが一番です。コロナ禍の中、ストレス発散のためゲームに費やす時間を自由にしてきたが、ここで生活を整えたいと。そして、彼らの現状に合わせて一日の大まかなスケジュールを立ててはいかがでしょうか。朝起きる時間から、夜寝る時間までの12~14時間をどう使うかを、スケジュール表にしてみましょう。平日と休日に分けて作ります。曜日によって習い事がある場合は、それも分ける必要があるかも知れません。
時間割には、宿題や学習の時間、お手伝いの時間、食事や入浴の時間、次の日の支度をする時間など、子どもたちがすべきことをすべて入れていきましょう。そして、親子でおり合えるテレビやゲームの時間もそこに組み込んでいきます。テレビやゲームの時間のとりかたについては、わかりやすいルールがあるといいでしょう。例えば、宿題や支度などのやるべきことをすべて終えたら、ゲームの時間を持つことができるというのは、おすすめです。「やるべきこと」がはっきりしていて、子どもに管理できるような工夫があれば、子どもはゲームをするために、進んで自分の仕事を進めるようになります。
子どもの裁量に任せる余地も
週末は特別な時間割になるかもしれません。例えば、平日に決めたとおりの時間割でことが運べば、そのご褒美として週末はより自由時間が増える仕組みにしてはいかがでしょうか。低学年の子どもであれば、一日の仕事をすべてクリアすればシールが1枚もらえる、シール1枚につき、週末に10分ゲームの時間が追加される、というような仕組みを作れば、張り切って取り組むかもしれません。
また、週末に家族みんなで楽しめる時間を設けるのもよいでしょう。子どもが親との遊びに夢中になるのは短い間です。思春期になるころには、親が求めても遊んでもらえなくなります。今の間に親も子どもとの時間を楽しんでください。外に出ることが難しい時期だからこそ、時間帯や場所を選んで、外の空気を吸いに行きましょう。のびのびと体を動かして、走り回るための時間を確保しましょう。外に出られないときには、家族で没頭できるようなゲームや工作もよいでしょう。おやつを作って食べるだけでも、子どもにとっては特別な遊びです。
さあ、一週間の時間割ができたら、それに沿った生活を始めましょう。子どもを時間割通り動かそうと監視するのではなく、子どもが楽しめるような声かけを心がけましょう。「早くやりなさい」ではなく、「終わったらおやつにしよう」「お片付けを済ませてゲームにしたら?」などと、子どもの気持ちを盛り上げていきましょう。イヤイヤやらされるのは長続きしませんが、楽しむことができたらそれを習慣にするのは難しいことではありません。親も、その暮らしを楽しめるといいですね。それが、子どもをより有意義な過ごし方へと導く秘訣かもしれません。
Vol.74 ブンブンどりむ 保護者向け情報誌「ぱぁとなぁ」2021年3月号掲載