子供の考える力・書く力はこうすれば伸びる!

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子育て相談 Vol.8

今月のお悩み

しつけについて

わが家の方針は「携帯ゲーム機は買わない!」。
でも、お友だちは外遊びにもゲーム機を持参……。
わが家は、携帯ゲーム機を買わないでおこうと決めています。
その分、外で思いっきり体を動かしてきてほしいと思っているのですが、小学校2 年生になると息子の遊び仲間はみなゲーム機を持ち始め、公園でもベンチに集まって夢中でゲームをするようになりました。
ゲーム機を持たない息子は、友だちと一緒に過ごすことは楽しいらしく、見学者として出かけていきます。
わが家の方針を他のお子さんに押しつけるつもりはないのですが、せっかく広い外に出てきたのだから体を動かして遊ぼうよ……と思うのです。
ただ「遊び方」について親がとやかく言うのもためらわれます。
何かいい対処法ありませんでしょうか?

先生の回答

「魅惑的なもの」との付き合い方を通し、生活、ひいては人生の律し方を学ばせましょう

〝わが家の方針”の根拠は掘り下げて考えるとともに、きちんと伝える

 ゲーム機を買わないと決めたということは、それなりのはっきりとした考えがあってのこと、子育てにはっきりとした軸をお持ちの様子が頼もしいです。
 また同時に、何故ゲーム機を買わないと決めておられるのかも、掘り下げて考えてみてください。小学校2年生のお子さんが、今は買ってほしいと言わなかったとしても、いずれ欲しいと言ったときには、親が何をどのように考えて買わないと決めたのか、きちんと伝える必要があります。
 ゲーム機を与えないと決めた気持ちはよくわかります。ゲーム機を与えられた子どもは、おのずと家の中でも外でもゲームに夢中になります。はっきりとした遊びのルールを決めて、それを守らせている場合はまだいいのですが、そうした指針がないまま好きに使わせ、「いつまでゲームやってるの!」などと叱られるのでは、子どもも気の毒な気がします。

新しい機器との付き合い方は明確な枠組みのもとで。「なんとなく」はNG!

 小学校低学年であればゲーム機、年齢が高くなるにつれて、携帯やスマホをどうするかというテーマが親の悩みであり関心事です。
 親によってその考え方や対応は様々ですが、これらは単なる機器で、良い悪いはありません。問題となるのは、どう付き合うかということです。ゲーム機が子どもの必需品であるかのように、ある年齢になったからといってなんとなく買い与えることは控えたいと思います。
 とはいえ、そういった機器を単によくないと決めて、まったく使わせないというのも考えものです。この時代を生きる子どもにとって大切なことは、どのようにそれらの機器と付き合うかを学ぶことです。お互いに、なんとなく欲しがったり、あるいはなんとなくで買い与えたり禁止したりするのではなく、このような理由で欲しい、このように使ってほしい、このような考えで持たせたくない、ということをきちんと話し合い、はっきりした枠組みの中で付き合っていくことが大切ではないでしょうか。

親が先頭に立ってゲーム機を使わない遊びをしてみせるのも手

 ご質問いただいたお困りの状況は、本当にどうしようもないことのように思います。おっしゃるように、まさかよそのお子さんにまで、わが家の方針を押し付けるわけにもいきません。
 それでも、もし、「せっかく広い外に出てきたのだから体を動かして遊ぼうよ」と思われるのであれば、一緒に公園に出かけて、ボールを蹴って、子どもたちを遊びに誘うのも一つの方法かと思います。誘われておもしろそうだと思えば、子どもはゲームを後にして、一緒に遊ぶかもしれません。
 やはり、子どもにゲーム機を与えないと決めたお母さんがいました。このお母さんは、週末などに、他の親子を誘って、博物館や科学館など、子どもが興味を示しそうなところに出かけるようにしました。そうやって、ゲーム機を使わない遊びを親が先頭に立って教えました。
 またこのお母さんは、先頭を切って子どもたちを図書館に誘い、一緒に本を借り、読書することを教えました。
 その後、子どもが小学校5年生になる頃には、どうしてもゲーム機が欲しいと言い出し、家族会議を開いて話し合いをしました。子どもは自分がゲーム機を欲しいその理由を述べました。親は、何故買いたくないかを話しました。そして、親の懸念を一つひとつつぶすやり方で、親子でゲーム機使用のルールを決めました。

 このように、問題は、単に持たせるかどうか、許可するかどうかということではなく、ゲーム機のような「魅惑的なもの」との付き合いを通じて、自分の生活を、ひいては人生を、どのように律していくかを学ばせることです。
 子どもたちの中からゲームを排除するという方向ではなく、持たせないなら持たせないなりの、上手な付き合い方をよく模索し、機会があるたびによく話し合ってください。

Vol.8 ブンブンどりむ 保護者向け情報誌「ぱぁとなぁ」2015年5月号掲載

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