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子育て相談 Vol.88

今月のお悩み

“オンラインでの学習指導”

オンラインでの祖父母の学習指導に息切れ気味です……。
 小5の女児です。コロナで学童保育が利用できなくなり、親が帰るまで自宅で一人になる時間が長くなったことから、遠方に住む祖父母がオンラインで勉強を見てくれることになりました。祖父母は娘の「打たれ弱い面を克服させたい」という思いから教え方、接し方が親より厳しくて娘は戸惑っているようです。「ほめて伸ばしたいから、優しく接してほしい」とお願いしたものの、今も娘は半泣きで息切れしそうな様子です。このまま祖父母のやり方に任せていたら、精神面が鍛えられて勉強もできるようになるのでしょうか……?

先生の回答

オンラインで学習指導するには、オンラインならではのスキルが必要です

コロナ禍で、家族の日常が一変

 新型コロナウイルスの蔓延は、私たちの日常に大きな影響を与えています。家族の働き方や、子どもたちの一日の過ごし方がすっかり変わってしまったというご家庭もあるのではないでしょうか。
 家族の一日の過ごし方は、時間をかけてある一つのパターンに落ち着いていきます。本来、子どもの進級・進学や親の仕事の変化によって、少しずつ変化していくものですが、コロナウイルスに対応していく中で、ある日突然すべてが一度に変わってしまいました。しかも、本来なら学校や職場の変化を支えるサポートシステムであるはずの学童までが、同時に変わってしまったのです。

相手の反応がわからず逆効果になる場合も

 学童保育が利用できなくなったとき、突然のことに困り果て、その段階での最善の選択肢として、おじいちゃん・おばあちゃんが駆り出されたのでしょう。祖父母の側も、困っている子どもと孫を何とか助けたい、役に立ちたいという気持ちでいっぱいでしょう。しかも、孫が打たれ弱い性格だと感じていれば、この機会に何とか克服させてやりたいと思うのも、当然のことかもしれません。孫がかわいい一心です。
 いろいろな気持ちを抱えて、遠く離れた場所にいる孫を祖父母がサポートする、という取り組みが始まりました。方法はオンラインです。これも状況を難しくする一因でした。オンラインで何かを教えるというのは、対面とは違い、オンラインならではのスキルを必要とします。相手の反応がすぐに伝わってきませんし、困り事やわからない部分を伝えるのも簡単ではありません。画面の向こうからの手応えがないと、教えるほうは焦りがちです。何とか手応えを得ようと、より一層強い口調になることもあるでしょう。
 一方、お子さんはどう思っているでしょうか。両親が帰るまでの時間を、画面越しではあれおじいちゃんやおばあちゃんといられるのは、心強いかもしれません。ところがその時間が叱咤激励の時間となってしまうと、半泣きになるのも理解できます。「それじゃいけない」「もっとこうしなさい」と言われ続けると、もともと控えめなお子さんなら、自信を失ってしまうかもしれません。ちょっと考えこんでいる間に「どうだ、どうだ」と急かされたら、おじいちゃんやおばあちゃんが苦手になってしまうかもしれません。
 オンラインで勉強を見てもらうという取り組みは、祖父母にとっても子どもにとっても、そしてご両親にとっても、手応えのあるチャレンジであったと思います。ただ、今の段階で、みんながいいと思えるものにはなっていないようです。状況の変化を見て、おじいちゃんとおばあちゃんのオンライン教室を終了するのが最善の道ではないかと思います。

祖父母には、もっといい役回りを

 もちろん、おじいちゃんにやり方を変えてほしいと再度お願いするのも一つのやり方です。ですが、オンラインでの指導や、控えめな子へのアプローチなど、『そういうやり方』をしてこなかった人に、今すぐ新たなやり方を覚えて実行してほしいと要求するのは、頼まれる側にも負担になるのではないでしょうか。
 おじいちゃんやおばあちゃんには、もっといい役回りがあるように思います。例えば、お子さんが一人で勉強するとき、わからないところがあれば、その都度お子さんのほうからアプローチして、予定を調整し、教えてもらうという方法があります。一人でじっくり考えて、疑問をまとめてから話をすれば、おじいちゃんの印象も、お子さんの受け取り方も、かなり違ってくるのではないでしょうか。

心が強くなるのは、自分の意思で行動してこそ

 生まれついた気質の傾向を変えていきたいと思うのであれば、時間のかかる訓練が必要となります。単に「自信を持って行動できるよう頑張る」というだけでなく、子どもの現状を理解して、そこから自発性を育てていく取り組みも重要です。つまり、大人にこまごま指示されるのではなく、自らやってみようと思って行動することです。どんな小さな一歩でも、自分の判断で、自分の意思で動くことが大切です。そして、子どもの肉体的精神的成長と伴って、小さな「できる」「できた」「もっとやってみたい」を積み重ねることです。何かがうまくいくことだけでなく、たくさんのうまくいかないことや失敗を体験することも大切です。子どもの自発的な意思で行動した時、失敗は学びとなります。自身の意思で、「できた」と「うまくいかない」を繰り返したとき、お子さんの心は強くなります。
 5年生ともなれば、親にこまごま言われることを嫌がる年齢ではないでしょうか。この機会に、一人で宿題や課題と取り組む習慣を身につけてはいかがでしょうか。ご両親が帰る前に、課題を終えて、帰ったら親と一緒に見直す。「一人でよくできたね」と認められるうちに、自然にお子さんの自信も高まると思います。

Vol.88 ブンブンどりむ 保護者向け情報誌「ぱぁとなぁ」2022年5月号掲載

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