子供の考える力・書く力はこうすれば伸びる!

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子育て相談 Vol.9

今月のお悩み

しつけについて

子どもたちに家事を任せていきたい。
習慣としてしっかり定着させるためには?
小学4 年生の長男と1 年生の長女がいる母です。
今春からパートタイムで働くようになりました。
夏休みを利用して、子どもたちにそれぞれ家事を分担させようと思っています。
長男はおっちょこちょいでよく物を壊しますし、長女は超マイペース。
何とも心もとない二人なのですが、正社員としてフルタイムで働けるようになりたく、徐々にであれ任せられることを増やしていきたいと思っています。
習慣としてしっかり定着させられる手順、心構えなどアドバイスください。

先生の回答

小さく、簡単で、今日からできて、続けられる仕事を、“楽しく”重ねていきましょう。

 子どもに生活力をつけさせるためにも、家事を分担させることは有効です。基本的な身のまわりのことを自分でできるようになれば、次第に、小さなころの「楽しみとしてのお手伝い」ではなく、「家族の一員として、立派な労働力としてのお手伝い」ができるようになります。能力を身につけるということと同時に、お手伝いの体験を通して、是非とも子どもに「親の役に立つ喜び」を体験させたいものです。

親子間で“喜びのサイクル”をつくることがポイント

 手順について考えてみましょう。
 まずは子どもに、母親が持っている目標について、なぜフルタイムで働きたいのかをきちんと説明し、協力を求めてください。この目標を達成し、よりよく家庭を運営していくために、あなたの力が必要ですと、依頼してください。「もちろん、親である私たちが責任をもって主導しますが、あなたたちにできることについては、力を貸してください」と、子どもの力を頼りにしてください。
 子どもの同意が得られたら、まず今日から何ができるかを考えましょう。お風呂やトイレの掃除、雨戸の開け閉め、ペットの世話、皿洗いなど、家の中には色々な仕事があります。その中でも、「小さく、簡単で、今日からできて、続けられること」を選びます。まだ思春期に入っていない子どもであれば、親と一緒に作業することを楽しみますので、単に「夕食後の皿洗い」ではなく、「お母さんが皿洗いをするので、妹がそれを拭いて、兄が食器棚にしまう」というような形式で任せるようにしましょう。必要な時にお母さんが「お皿を洗うから、お願いします」と声をかけ、率先して始められます。それを毎日、自然に繰り返すことで、習慣づけもしやすくなります。
 このときの目的は「家事をうまくこなすこと」ではありません。「子どもが喜んで親の役に立ち、親がそのことを喜ぶ」というサイクルを、親子で体験することです。楽しい雰囲気で子どもに依頼し、子どもと一緒に作業します。終わったら、「手伝ってくれてありがとう、助かりました」と、感謝を伝えてください。
 親はつい「えらいわね」「よくやったね」などの言葉で『子どもに対しての評価』を伝えがちです。しかしここでは、必ず『親の感謝の気持ち』を伝えるようにします。「やってくれて、助かった」「一緒にできて、うれしい」などの言葉で、「あなたの行動によって、私にはこんな影響がありました」ということを伝えます。

親の役に立つ喜びは、やがて人の役に立つ喜びに

 こうしたプロセスを繰り返すことで、子どもは自然と「自分がこう行動したら、相手にはどんな影響があるだろう?」と想像するようになります。結果的に、状況を判断する能力や、思いやりの心を育てることができます。そして、「親の役に立つことは、自分にとってうれしいことだ」ということを学んだ子どもは、やがて「人の役に立つことは、自分にとってうれしいことだ」と考えるようになり、大人になってからも色々な場面で、自分の力を人のために使うようになります。

頼み手としての見極めと配慮も

 機会をみて、新しい仕事を頼みます。「洗濯物を取り込んでほしい」「布団を外に干してほしい」「レタスを洗ってちぎってほしい」・・・・・・そして、その都度「ありがとう」「助かりました」「おかげでうまくできました」と感謝します。子どもにも、得意不得意があり、時間はかかるけれどきれいに畳む、すぐに洗ってくれるが細かいところを見落としがち、など、色々な傾向があります。その傾向を見極め、得意なこと、やりたいことから、子どもに仕事を頼んでいくようにしましょう。
 そして、もし一度子どもに「お風呂洗い」「洗濯物を畳む」などの、ある程度まとまった仕事を任せたなら、必要なときに「お願いします」と声掛けをするにとどめます。「早くやりなさい」「あなたがやるって言ったんじゃないの」とせっつくと、子どもにとってお手伝いは楽しいことではなくなり、親のために力を使うのを嫌がるようになります。こちらから依頼するときは、一度や二度すっぽかしても害のないような、重要度の高すぎない作業から任せるとよいでしょう。

Vol.9 ブンブンどりむ 保護者向け情報誌「ぱぁとなぁ」2015年8月号掲載

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