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子育て相談 Vol.91
“生 活”
- ダラダラし続ける息子のためにできることは?
- 小学2年生の次男。1年生の時は、クラスに気の合う友だちがおりよく外に遊びにいったのですが、2年生になってからは、放課後や休日はテレビやゲームで家の中で一人ダラダラと過ごしています。夏休みには、きっと毎日ダラダラし続けることでしょう。野球が大好きな長男と違って、次男は勉強はもちろん、何事にも関心が薄く、習い事に行かせるのももったいなく思え、放っているのですが、親として夢中になれる何かが見つかるよう努めるべきでしょうか?
先生の回答
琴線に触れるものと出会えるよう、親子で様々な世界をのぞいてみましょう。
かたやご長男が野球に打ち込むなか、何事にも関心が薄く、家の中でダラダラしているご次男の姿を見ると、これでいいのかなと思案してしまいますよね。
どうやらお子さんは、自分から友だちを求めていくタイプではなさそうです。身近に仲のいい友だちがいれば、その子の影響を受けて新しい外遊びを楽しむこともありますが、そういう相手がいないと、一人遊びになってしまうのかもしれません。
親としては、元気に外遊びやスポーツをするのがいいと考えるかもしれません。お兄ちゃんは野球が好きなのになぜ……と思うかもしれません。ですが、きょうだいであっても、興味の範囲はいろいろです。関心が薄いということは、まだ自分の琴線に触れるものに出会っていないのではないでしょうか。まだ2年生ですから、これからです。
ゲームの何を楽しんでいるかまで観察してみましょう
ただ、あまりダラダラしているのを見ると、何とかしなくてはと思うのも無理はありません。親として、何ができるか考えてみましょう。お子さんが、関心を持って取り組めるテーマに出会うよう、いろいろな機会を用意してみましょう。
まずは、彼が今興味を持っているところから始めましょう。ゲームはどんなゲームが好きですか。その観察から始めましょう。一緒にやってみるとよくわかると思います。ゲームにも様々な種類があります。アクション、ロールプレイング、謎解き……お子さんが、そのゲームの何を楽しんでいるのかを観察すると、どんなことに興味を持つかが見えてきます。
たとえば、ゲームに夢中な子どもが、大好きなゲームのキャラクターを描くことも好きだと発見したお母さんがいました。このお母さんは、息子が絵に向ける興味や才能を伸ばしたいと思い、関係する本を買ったり、展示会に連れて行ったりするようになり、結局子どもは商業デザインの道を歩んだという例もあります。ゲームのストーリーに魅せられているケースもあるかもしれません。であれば、一緒に冒険物語を読んでみるのも面白いでしょう。親は子どもが「ゲームばっかりやっている」ということには気が付いても、子どもがゲームで何を楽しんでいるかまでは見ようとはしません。観察してみましょう。その観察を深堀りすることで、何かが見えてくるものです。ひと言でゲームと片付けずに、まずは一緒に楽しんでみてはいかがでしょう。
親子一緒に楽しむことで、良い夏の思い出に
また、ゲームから離れて、何か今までやったことのないものに取り組んでみるのもいいでしょう。まったく新しい世界への挑戦です。彼がやったことのないものであれば、料理でも掃除でも、釣りでもキャンプでも、囲碁でも将棋でも。家で取り組むことのできるものでもよいですし、夏休みになれば、あちこちで短時間のワークショップも開催されています。習い事となると、長く続けたり、家で練習させたりしなくてはと考えてしまって、なかなか思い切れないかもしれません。でも、「一度やってみようよ」であれば、楽しみな気持ちひとつで大丈夫です。いろいろなものに触れるのは、子どもにとってもきっと楽しいことです。まだ小学校2年生です。親が誘えば、一緒にやろうとするでしょう。いろいろな体験をさせてみてはどうでしょうか。
親から与えられる習い事や、準備されたチームプレーのようなものにスイッと乗っていく子もいますが、お子さんのように、自分の琴線に触れるものを待っている子もいます。琴線に触れるものとの出会いは、準備されていない体験の中から生まれてくるものです。幼いうちに出会えれば幸いですが、なかなか出会えない人も多いでしょう。焦らず、お子さんが自分で探しに行くようになるまで、お父さんやお母さんが寄り添って、時には一緒になって楽しみながら、様々な世界をのぞいてみると良いでしょう。何より、親と一緒に楽しむことができれば、お子さんにとっても良い夏の思い出となるでしょう。
Vol.91 ブンブンどりむ 保護者向け情報誌「ぱぁとなぁ」2022年8月号掲載