子供の考える力・書く力はこうすれば伸びる!

HOME > 菅原裕子先生 お悩みパパ&ママ子育て相談 >子育て相談 Vol.97

子育て相談 Vol.97

今月のお悩み

“自己分析”

リーダーを支える役目が合っていると思い込んで、決してリーダーを引き受けません。
 息子(小5・次男)は、「自分の気持ちよりお友だちがよければ満足」といった子です。目立つことが嫌いで、担任の先生に「みんなから信頼されているのだから、今のうちにリーダーという役目を経験しておいたほうがいい」と勧められても、自分はリーダーの後ろで支える役目が合っていると思い込んでいて決して引き受けようとしません。性格かとは思いますが、そのまま見守っていてよいのかアドバイスお願いします。

先生の回答

子どもが、自分の気持ち・考えを理解できるようとことん話を聞いてあげましょう

 みんなから信頼されているというのは、うれしいことですね。先生にも勧められていることですし、親としても、ぜひ積極的にリーダーに挑戦してみてほしいと思うところです。ですが、無理強いするわけにもいきません。本人の気が進まないとき、どのようにサポートしていったらいいか、考えてみましょう。

引き受けない理由を理解する

 まず、お子さんがどのような状況に置かれているのか、よく理解することから始めましょう。「自分の気持ちよりお友だちがよければ満足」ということですが、そのような子がリーダーを引き受けないというのは、単純な状況ではありません。自分の気持ちが二の次ということであれば、周りに進められるがまま素直にリーダーを引き受けても良いはずです。子どもはどんなことを考えているのでしょうか。
 ひとつには、「本当は引き受けたくないのに、周りに求められると断れない」というパターンがあります。目立つことが嫌いなら、もともと上に立つことを望むタイプではないのでしょう。もめ事を嫌うタイプであれば、リーダーを引き受けることはかなりの苦痛かもしれません。本人の中では「やりたくありません」という気持ちがはっきりしているのに、言えないのかもしれません。もしそうなら、自分の気持ちや考えをはっきりと伝え、断ることを覚えていくというのも、とても大切なことです。今こそ、適切な自己主張の方法を覚えるべきタイミングかもしれません。
 もうひとつ、「本当は挑戦してみたいけれど、責任の重さを考えるとしり込みしてしまう」というパターンもあります。小学5年生にもなると、クラス全体が思春期のムードに入っていきますから、クラスメイトにどう見られるか、どう思われるかということがいっそう気になり始めます。でしゃばっていると思われたくないというのは、おとなしいタイプの子にはよくある気持ちです。また、リーダーになればいろいろな仕事を任されることになり、責任が増します。心配性な子、責任感の強い子、焦りやすい子であれば、そのような状況を怖がるのはごく自然なことです。思い切って挑戦してみることも大切ですが、状況を見極めてできそうかどうかを判断する能力も大切です。

するべき挑戦は子ども自身が決めること

 「リーダーの後ろで支える役目があっている」というお子さんの分析は、親から見てどうでしょうか。
 細かなことが気になるタイプであれば、先頭に立って大きく舵を切っていく役割よりも、全体に目を配って、遅れているところがないか、困っている人がいないかに目配りしながら並走する役割のほうが、のびのびと力を発揮できるかもしれません。
 そして、「リーダーに挑戦することを期待されている」ということもきっと理解しているでしょう。大人たちの期待に添いたいという気持ちもあるはずですが、反抗期になれば、大人の言うことに従いたくない、自分で決めたいという気持ちも出てきます。どちらも大切なことです。その中でどうやってバランスをとるかということを、子ども自身が決めていかなくてはいけません。
 答えは一つではありません。するべき挑戦や、得るべき力がたくさんあります。親にできるサポートは、まず、よく子どもの話を聞くことです。リーダーになるように促すためではなく、子どもがどのような価値観を持っていて、何を考え、どういったことに不安を感じているか理解するために、とことん聞いてください。最善の結論が何かはまだわかりません。それを子どもと一緒に考えるために、必要な情報を集めましょう。先生がなぜリーダーを勧めていると思うか、それについてどう思うか。周りには何を期待されていると思うか。後ろで支えるのが合っていると思うのはなぜか。自分はこの先グループの中でどんな役割を果たしていきたいか。自分の中のどんな力を伸ばしていきたいか。そして、本当は自分がどうしたいか。話す中で、子どもは自分の気持ちを理解し、今の段階で出せる答えに徐々に近づいていきます。恐らくどれを選んでも正解で、どれを選んでも足りない部分が出てきます。正解がない以上、よく考えて納得して決めること、違うなと思ったらまたその時に考え直すことが大切です。
 考えるというのは大変な作業です。子どもの考えるプロセスに寄り添って、より本心に近いところで決められるようにサポートしていきましょう。

Vol.97 ブンブンどりむ 保護者向け情報誌「ぱぁとなぁ」2023年2月号掲載

一覧へ戻る
夏の2ヵ月お試し
無料体験キット