子供の考える力・書く力はこうすれば伸びる!

HOME > 教育の現場から > Vol.105 高校生対象の意識調査から見える「小学生に必要なサポート」

Vol.105 高校生対象の意識調査から見える「小学生に必要なサポート」

 11月号で「大学生の意識調査」を紹介しましたが、今月は「高校生の社会観に関する意識調査」を紹介します。皆さまのお子さまが社会人になった姿を想像しながらデータに触れてみてください。世の中はどのように変化しているでしょうか? 明るい見通しはたちますか? そんな時代を生き抜くお子さまたちに今からどんなサポートをするべきなのでしょうか。

高校生が関心のある政治課題

 我々保護者世代の時代と比較しても、高校生を取り巻く社会環境は様々な場面で大きく変わっています。その一つに「18歳選挙権」があります。我々の時代には考えたこともなかった「高校生が投票」が実現し、これから定着していくことで高校生はもちろん中学生や小学生でも社会に対する関心の度合いは変わっていくことでしょう。今回の調査では、回答者の4人に3人が「選挙権を取得したら選挙に行く」とすでに考えていて、3人に2人が現段階で「国や地方の政治に関心がある」といいますから、我々の想像以上にしっかりと情報に触れているのかもしれません。

関心のある政治課題(主なもののみ:複数回答)

  全体 男子 女子
憲法改正 51.4% 52.8% 49.6%
アベノミクス 33.5% 39.1% 26.3%
集団的自衛権 53.6% 56.1% 50.4%
新エネルギー 24.9% 30.0% 18.3%
消費税増税 41.0% 37.1% 46.0%
年金制度 35.8% 33.9% 38.2%
子ども・子育て支援 31.8% 22.8% 43.7%
女性活躍推進 19.4% 9.6% 32.2%
若者雇用対策 19.1% 14.9% 24.6%
被災者支援 24.1% 19.3% 30.4%

 日々ニュースで話題になるキーワードを並べましたが、高校生の男女間で生じる関心度の差に注目してください。男子は総じて「経済」「エネルギー」問題への関心が高く、女子は 「子ども・子育て支援」「女性活躍推進」への関心が高いようです。高校生、あるいは小・中学生では自分なりの解決策を提示することは難しいかもしれませんが、現状の問題点を把握することならば可能です。学校の授業で扱われていない内容であっても、ニュースを見た際などに話題にし続けることが大切だと強く感じます。これまでであればこういった家族の会話は「受験のため」という要素が強かったわけですが、世の中の仕組みも大学入試でさえも変わっていく時代ですから、これからはもっと視野を広げて「(子ども自身が)課題に関心を持ち、社会の課題を解決する側にまわる」ことを目標にしたり、勉強への動機にしたりできるようなサポートに変えていく必要も感じています。その理由について、次のデータをご覧ください。

高校生の社会観からわかる
「小学生に必要なサポート」

 皆さまは高校生の頃、自分自身や社会全体の将来について不安を感じたことはありましたか? 今の子どもたちは、どの分野においても先行きは不透明で課題は山積み。「頑張ろう!」と思うよりも「あぁ、ダメだこりゃ」とあきらめてしまう気持ちのほうが先に出てしまっても不思議はありません。

将来の明るさ:自分が社会人になるころの社会について

 
明るい
やや明るい
明るくない
あまり明るくない
無回答
2015年 50.0% 50.0%
2014年 48.5% 51.5%
2012年 31.0% 69.0%
2009年 39.1% 60.7%

 1980年代前半に高校生だった私は、「まぁ、何とかなるだろう」と気楽に考えていた記憶があります。おそらく不安に感じる必要がない程度には見通しが立っていたからでしょう。しかしながら、このデータを見る限り、現在の高校生たちは未来に対して明るい見通しを持てていないようなのです。
 景気が悪く、しかも東日本大震災直後の調査となった2012年の数値をご覧ください。これを底として、2015年は数値がよくなったとはいえ、社会全体に対する印象は2015年でちょうど半々というところですから、高校生たちは未来の社会をかなり厳しめに見積もっていることがわかります。
 具体的な声を紹介していきましょう。明るいと答えた人の意見には「東京オリンピックが開催され経済的にも社会的にも日本が活性化すると信じている」「医療や経済は、従来の反省を活かしてよりよいものに変わってくれると考える」といったものがあり、明るくないと答えた人の意見には「経済が立ち直るか不安、少子高齢化でただでさえこれから大変なのに」などと「少子高齢化」というキーワードがついてまわるようです。
 「誰も解決できなかったのだから自分が何とかしよう」と思うのか「誰も解決できなかったのだからもう無理だ、お先真っ暗だ」と考えるかは、自分の意識一つでいくらでも変わります。大人だって未来を悲観することはありますからなかなか難しいですが、だからこそ小学生時代からの思考習慣・動機づけが重要だと思うのです。その根拠として、もう一つデータを紹介します。「回答者本人の将来について」の質問では、およそ7割の人が「自分自身の将来は明るい」と答えていることにご注目ください。     

将来の明るさ:自分自身の将来について

 
明るい
やや明るい
明るくない
あまり明るくない
無回答
2015年 69.6% 30.4%
2014年 63.7% 36.3%
2012年 55.3% 44.7%
2009年 74.6% 25.2%

 明るい見通しを持っている人からは「なりたいもの、目指すものが明確に決まっている」という声が、そうでない人からは「自分の将来が想像できない」「景気が悪くなっているだろうから」「少子高齢化で若者はどんどん虐げられていくだろう」という声が挙がっています。この差はとても大きくて、正体の見えない「なんとなく将来が不安」という感情に覆われた状態では「未来に向けて現在を頑張る、楽しむ」という考えにはなりにくいでしょう。
 趣味やスポーツのように瞬間的に「楽しい!」と思えることがあればともかく、勉強のような「将来に向けて現在の時間と労力を投資する」ものに対して、その意義や期待感を見出せない状況で精一杯頑張ろうとしても、ただただ疲弊していくばかりでつらいものです。本人も周囲も誰一人幸せにならない大変悲しい状況に陥ってしまうのではないでしょうか。
 だからこそ繰り返しになりますが、ある課題に対して「あきらめよう」「どうせ無理だ」と考えるのか、それとも「どうすればうまくいくだろう」と考えるのか、お子さまの思考傾向にはぜひとも注視してあげてください。作文でも勉強でもスポーツでも、取り組み方や物事への視点に関する習慣の差は10年20年のスパンで見ればとても大きなものになるはずです。     

    

資料:「高校生価値意識調査2015」リクルート進学総研調べ

vol.105 ブンブンどりむ 保護者向け情報誌「ぱぁとなぁ」2017年1月号掲載

一覧へ戻る
入会予約キャンペーンのバナーです
無料体験キット