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Vol.114 学年別:小学生がつまずく計算問題を点検しましょう

 秋以降、各学年ともに勉強のスピードが急激に早くなります。特に算数では夏休み前に学んだ計算方法を用いることになるので、これまでの計算の習熟度が今後の理解に大きく影響します。
 今回は、小学生の計算力に関する調査結果を用いて、小4・小5・小6生の正答率が低い問題を紹介していきます。保護者のみなさまも、ぜひお子さまと一緒にチャレンジしてください。

小6生がつまずく計算問題

テーマ 問題 正答率 誤答率
四則混合 2.4 - 3/5 × 2 48.2% 45.5%
四則混合 9.8 - 2 4/5 ÷ 4 45.7% 46.7%
文字と式 7/8 - X = 5/24 45.5% 48.6%
文字と式 X - 5/6 = 1/15 38.6% 49.4%
文字と式 3/4 ÷ X = 15/8 45.9% 44.8%

無答者の割合を除く

 小6で目につくポイントは2つあります。1つ目は「四則混合計算」に対する弱さです。計算の決まりが身についておらず、左から順に計算してしまう誤答が大変多くなっています。2つ目は文字xを求める分数計算に対するつまずきです。5年生時には「□を求める小数計算」を学習していますが、それに比べても約20ポイント正答率が低くなっているため、約分や通分といった分数計算のルールが身についていないことがわかります。また、求めたXの値が正しいかどうか、元の式にあてはめて確かめる習慣が身についていないことも浮かび上がってきます。
 これらの計算は、中1の前半で学習する「正負の数」「一次方程式」と密接に関連します。小6段階での習熟度が中1前半の学習や定期テストに大きな影響を及ぼします(中1 で学ぶ「マイナス」の概念が新たに加わる)ので、おそらくお子さまは学校で「比」を学んでいる時期だと思われますが授業の復習に加えて継続的な計算トレーニングも欠かさないようにしてください。

小5生がつまずく計算問題

 小5ではとにかく「小数の割り算で余りを求めること」が高い壁になっています。余りの小数点を打ち忘れたり、小数点の位置を間違えるなど、誤答のパターンは何種類かに集約されるものの正答率の低さが際立っています。小数÷小数の計算で余りを求める作業は、中学高校と学習が進む段階で登場することがほとんどないために、大人も「できなくても困ることはないから」と軽視しがちです。しかしながら小学生のうちは「しっかりマスターするまであきらめず練習を続ける習慣」を身につけることが必要です。「完璧にできなくてもこんなもんでいいや」と妥協することを覚えるにはまだまだ早い時期なので、保護者のみなさまももう一度計算ルールを学び直して楽しみながらお子さまと一緒に計算に取り組まれることをお勧めします。

テーマ 問題 正答率 誤答率
小数÷小数(余り) 5.6 ÷ 2.86 29.5% 68.1%
小数÷小数(余り) 5 ÷ 1.3 29.6% 63.7%
分数-分数 3 5/6 - 2 1/4 58.8% 30.4%
四則混合 9.8 - 2.8 ÷ 0.4 50.2% 40.6%
□を使った式 8.4 ÷ □ = 3.5 54.4% 35.0%

無答者の割合を除く

 四則計算、□を使った式の計算が不十分だとそのまま小6に引き継がれてしまうことは、小5から小6にかけて正答率が向上しないことでハッキリと読み取れます。特に□を用いた計算は、これから小5が学ぶ「割合」で多用しますので、気を付けておきたいところです。

小4生がつまずく計算問題

テーマ 問題 正答率 誤答率
整数-小数 23 -1.8 29.4% 66.7%
小数÷整数 17.9 ÷ 7 34.9% 59.9%
3 桁× 3 桁 408 × 708 63.1% 35.5%
四則混合 17 - 4 × 3 + 8 58.8% 36.9%

無答者の割合を除く

 小6、小5がつまずいている問題を先に見ておくと、つまずきの原点が小4にあることがおわかりいただけると思います。小数点の扱いもふくめて「位をそろえて計算することができない」状況、四則混合における計算順序など、あいまいなものは小4のうちに改善しておかないと、小5や小6になってもそのままひきずってしまうことになりますからお子さまのノートを点検しておきましょう。途中の計算を書かず答えだけを記している場合には、目の前で計算の様子を点検することをお勧めします。

0.2×0.8の計算からわかること

 10年前の「計算の力の習得に関する調査」では、5年生で学ぶ小数同士のかけ算「0.7× 0.4」の正答率が56%しかなく、「2.8( 0.7より大きい値になっている!)」という誤答が37%もあって大きな話題になりました。それに対して今回の調査では小5に「0.2× 0.8」の計算が出題され、正答率は89・1%と計算習熟度については大きく改善されたようです。ただし「0.2× 0.8」の計算について、過去に習った計算方法を機械的に使いこなしているだけなのか、それとも「1より小さい数をかけているのだから、答えは0.2より小さくなるに決まってる!」と理解できている者の割合についてはわかりません。
 たかが計算ではありますが、前者のような姿勢で計算に取り組んでいる限り、いくら計算量を増やしても計算ミスはなくなりません。文章題では自分の解答を吟味することなく、車の速さを「時速900㎞」とか「時速7㎞」などと平気で書いてしまうことでしょう。秋以降の算数の授業では、どの学年でも作業に加えて思考の習慣が求められますから、計算 練習を単なる作業に終わらせないよう工夫したいものです。


資料:ベネッセ教育総合研究所「小学生の計算力に関する実態調査 2013」

vol.114 ブンブンどりむ 保護者向け情報誌「ぱぁとなぁ」2017年10月号掲載

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