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Vol.131 大学3年・就職活動開始時に社会から求められる資質とは

 大学3年の次男は、年明け早々から事実上の就職活動が本格的に動き始めて忙しそうにしています。「就職活動の解禁日は……」という報道とは違って、1月末の試験が終了したところから多くの大学生がリクルートスーツで街を歩きます。最近の就職活動ではあらゆる場面でこのような「本音とタテマエ」が交錯していて、保護者も勉強が必要です。今回は小学生の保護者にとって他人事では済まされない部分だけを紹介していきます。

「子どもの就職」について保護者が抱くイメージ

 今回ご紹介するデータは、山口県立大学に在籍する学生の保護者(保護者懇談会出席者)へのアンケート結果です。回答者の52%が「(子どもの)就職活動に高い関心がある」と答え、「あまり関心がない」と答えた人は0%と、総じて「子どもの就職」について勉強している方々の結果であることを頭に入れておいてください。

 回答者である保護者が子どもの就職・就職活動にどのようなイメージを抱いているか確認してみましょう。

子どもの就職先に対しては「公務員志向が強い」「親が知っている企業には賛成」という傾向が見られ、「反対する」と明確に回答があったものは「設立間もないベンチャー企業」の12・0%が最も多くなっています。地域性もあってベンチャー企業に対する理解度が低いであろうことは想像できますが、私の予想よりも低くてびっくりしました。現在の学生の就職活動についての社会状況認識では、回答者の4人中3人が「保護者世代の就職状況と比べて厳しい」と感じています。私も親として「産業構造が変化したので昔の価値観は通用しない」「就職活動の早期化・長期化」を厳しさとして実感しています。

保護者が抱くイメージと実態にはギャップがあるのか?

 この機会に、イマドキの就活事情について我々保護者世代の頃とは大きく違っている点を確認しておきましょう。

 2019年3月卒業予定の大学生(大学院生)対象の求人倍率は1・88倍で数字だけ見るとバブル期でさえ大きく超えています。数字だけみると「就職活動は楽になっている」とも思えるのですが、具体的に数字を拾ってみると「求人倍率の高さは中小企業が作っている」ということがよくわかります。

 従業員300人未満企業(中小企業)では9・91倍と、前年の6・45倍から大幅に上昇して過去最高となった一方で、従業員5000人以上のいわゆる大企業ではポイントが下がり、年々厳しくなっていることがわかります。この倍率格差こそが「大卒求人倍率のカラクリ」であり、見かけの「売り手市場」に騙されて誰でも名前を知っているような大企業ばかりを保護者が希望していると、報道で目にするような「40社、50社と受けても全く内定がもらえない大学生」になってしまう可能性が出てくるのです。

小学生の保護者として、今、気をつけること

 わが家の子どもたちが小学生だったのはもう10年以上前ですが、その当時には想像できないほど社会構造は急激に変化し、求められている資質も変わりつつあります。子どもの成長を通してこの10年を振り返ったとき、自分の子どもが今求められている資質の大半は、その源流が小学生時代の日常にあったような気がしています。小学生の間に磨いておいたほうがよいと思える資質についてご紹介していきます。

⑴ 協働性

インターンシップにおいても、高校・大学入試においても、集団討論を通して協働性を試される場面が今後数多くあるはずです。学生の個性が多様化していることはもちろん、グローバル化の進捗によって同僚や上司、取引相手が外国人になるケースも増えていくのですから、「自分と異なる環境・思考」に属する相手を尊重しながらも自分の意見も取り入れてもらう、いわゆる「協働性」は今後ますます重要視されることでしょう。「自分以外はみんな敵」「つべこべ言わずにオレ様についてこい」といった考え方では通用しないことは明らかです。こうした経験を積む土台は小学生時代の日常にあります。友だちとの遊びや学校でのグループ学習、野球やサッカーといったスポーツでも、皆で力を合わせて何かに取り組むチャンスは日常に数多くありますので大切にしてあげてください。リーダーシップをとることだけが重要ではなく、サポート役にまわったりムードメーカーの役割を果たしたり、チームで動く際には多くの役割があることを、実例を交えて理解してもらうのは小学生時代が最適です。

⑵ 異世代コミュニケーション

 「最近の大学生は知らない大人と接触する機会が少なく就活時に緊張する」と、様々な場面で聞かれるようになりました。バイトであっても、同世代のバイト仲間によるコミュニティでまわせるもの(塾講師や飲食など)を選ぶ傾向があって、異世代の大人と深く関わる経験に乏しく就活時の大きなネックとなることもあるようです。その際の一番の弊害は異世代とのコミュニケーションがとれないことではなく、自分のテリトリーにいない人たちの思考や環境を想像できないことにあります。例えば、社会人になって取引相手にいきなり「タメ口」で話すことが許されないのは当たり前です。しかし、現実には「小学校から大学まで、教員からタメ口でも怒られたことはない」という学生はたくさんいて、中には「通用しない世界があることすらわからない」者もいると聞きます(某一流大学のキャリアセンターの方の話です)。これは「通用する世界しか見たことがない」からで、その視野の狭さは一朝一夕には改善できるはずもありません。「小学生でもわかることができない大学生」が数多く登場している背景には、もちろん小学生時代に何を学び経験してきたかの差が影響しています。


 大学生の保護者にとって「子どもの就職活動」に対する関心は大変高いものです。大学が説明会や保護者会を行うことも珍しくありませんし、地方都市では就職情報を扱う企業を招いてセミナーが行われる機会も大変増えています。わが家でも就職活動は「子育ての最終段階」の位置づけになっていますが、すべての局面で正解を選択してきたはずはなく、むしろ後悔や反省する場面のほうが多かったと記憶しています。今の知識でもう一度小学生の子育てをするのであれば、接し方は大きく変わることでしょう。

この記事を書きながら、保護者として不勉強であったことを痛切に感じているところなのです。

vol.131 ブンブンどりむ 保護者向け情報誌「ぱぁとなぁ」2019年3月号掲載

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