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Vol.20 大学入試は「学力重視」に戻り始めるのか

 

 先月もご紹介しましたように、とうとう「4年生大学への進学率が現役・浪人合わせて50%を突破した」時代がやってきました。進学率50%ということは「高校3年生の半数が必死に受験勉強をしている姿」を想像しがちですが、残念ながら現実はそうではありません。「四当五落」などと机の前に貼って、睡眠時間を削って必死に勉強している受験生の数は、みなさんの予想をはるかに下回ることでしょう。
 今の時代、「学力を筆記試験で判定する入試(一般入試)で合格した受験生」がどの程度いるか、みなさんご存じでしょうか。

私大入試は推薦入試が主流

 読売新聞が7月に発表した『第2回「大学の実力 教育力向上の取り組み」調査』の結果によると、09年度の入試において、国公立大学(調査143校)は筆記試験による一般入試の入学者が81%を占めたものの、私立大学(調査386校)においては、一般入試が44%、指定校推薦16%、公募制推薦10%、書類審査や面接などで選考する「AO(アドミッション・オフィス)」8%、附属・系列校推薦5%など、一般入試以外の入学者が計46%を占める結果になっているのです(無回答・非公表は10%)。

      

勉強しなくても入学できる!?

 もちろん、すべての私立大学でこのような状況がおこっているわけではありません。一部の人気校ではかつてと変わらないほどの高い選抜基準を維持していますが、その一方で「それほど勉強しなくても入学できる大学」が増えていることも事実なのです。大学運営に携わっている人の間では、「大学の学力水準を維持するためには一般入試入学者の比率が最低30%は必要」という考え方があるようです(私はこれでも少ないと思いますが)。現実には、この調査に答えた私立大学のうち100校前後が「一般入試の割合が30%以下」であり、中には1%台の大学もあったというのですから驚きです。
 少子化を背景とした学生の獲得競争が激しくなる中で、「一般入試のハードルを下げる→一般入試の割合を減らして推薦入試重視へ」という流れから、ついには「推薦入試のハードルも下げる」大学が登場しているのです。具体的には「成績の評定平均値がいらない」「成績は特定の科目しか見ない」「小論文や面接のみで学力はほとんど見ない」といった選抜方法をとる大学が増えているようです。

 

推薦入試が変わる

 みなさんはこの風潮をどのようにお考えでしょうか。今では、新入生の学力を問う到達度試験や習熟度別のクラス分けを実施している大学が、国公私立全体で80%を超えたといいます。「基礎学力の向上」を大きなテーマに挙げている大学も、現在では少なくありません。しかしながら、みなさんのお子さんが大学受験を迎える頃には、状況はかなり変化していそうです。今春、文部科学省は2011年の入試から、推薦入試においても学力を重視するよう、各大学に通達を出しました。私に言わせると「ようやく」といったところですが、とにもかくにもこれからは「勉強していない生徒」は大学に入学できない状況にはなりそうなのです。
 国公立大では、早いところでは2010年入試(来春)からセンター試験を課す動きも見られます。私立大学においても、評定平均値の使用はもちろんのこと、センター試験の結果を判定基準として採用するところが増えそうです。
 これは、推薦入試のレベルアップに大きくつながります。「評定平均値」は推薦入試の基準としては一般的なものですが、現実的には進学校の評定とそれ以外の高校の評定では、たとえ数値は同じであっても実際の学力差を正確に測ることはできません。
 ですから、おそらく多くの大学で「この基準だけで判定することに対する不安」を持ち合わせていたはずです。これが今後、しっかりと学力も判定されることになれば、推薦入試で入学する層の向上に大きく貢献することになるでしょう。
 また、高校入試の推薦制度にも大きく影響します。これまでも私立高校では、選抜基準の作成において「大学入試のシステムを利用する」ことが数多く見られました。大学入試において学力がしっかりと問われるようになるということは、当然高校入学段階においても、長い目でみれば学力重視の流れに戻ることは言うまでもありません。

 

大切なのは目標を持って勉強する姿勢

    

 みなさんのお子さんが中学受験をするにせよ、高校受験をするにせよ、あと5年先には「学力重視」の流れが世の中の主流にもう一度戻っていることを想定しながら準備を進めておくべきでしょう。その頃には、全国学力テストの結果によって自治体が右往左往し始めているように、受験生・保護者だけでなく、あらゆる意味で世の中全体が「目先の学力、目先の結果」に一喜一憂する傾向が蔓延しているのではないでしょうか。
 そんな騒ぎに巻き込まれたくないという方は、今のうちに「目先の知識」だけでなく「しっかりと目標を持って勉強する姿勢」をお子さんに身につけさせておくことをお勧めします。     

 

vol.20 ブンブンどりむ 保護者向け情報誌「ぱぁとなぁ」2009年 11月号掲載

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