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Vol.58 中学受験を「させる親」と「させない親」の明確な違い

 

 一時期に比べると落ち着いてきたと言われる中学受験ブームですが、公立中高一貫校の増加に伴う選択肢拡大も影響して、新たな層を巻き込みながら根強い人気を維持しています。「中学受験させる・させない」はご家庭の教育方針によりますが、「させる親」「させない親」の考えにはどのような差があるのでしょうか。

親が見ている「子どもの将来像」がハッキリ違う

 いま私の手元には「首都圏保護者の中学受験に関する意識と行動に関する調査」の結果があります。首都圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)の小学3年生から小学6年生の子どもを持つ保護者を対象に行われたものですが、中学受験予定別(させる・させない)のデータから、明確な差を読み取れる部分について、できる限り紹介していきます。 まず、自分の子どもに望む将来の進路について見ると、「させる親」は9割以上が4年制大学・大学院までを小学生段階で考えているのに対して、世の中の多数派である「させない親」は6割に留まっています(図1)。これは、現在の4年制大学への進学率が50%ちょっとであることを考えれば、リアルな数値だと思います。

      

 この差の理由は、親の持つ「教育に関する意見や考え」に色濃く反映されています(図2)。「大学を卒業しただけでは良い就職はできない」「今の教育にはお金がかかりすぎる」という問いには、中学受験予定の有無にかかわらずほぼ全員が同意しているものの、「とはいっても、ちゃんと大学に行ってほしい」という意識の強弱の差が、「多少無理しても子どもの教育にはお金をかけたい」という項目の数値になって表れています。
 特に注目したいのは、「学歴より専門的な資格を身につけるほうが将来役に立つ」という問いです。進学志向の差から見て「させない親」の数値が高いのは当然としても、「させる親」の数値も充分高いものがあります。これは、「専門的資格」を取得するまでの準備期間や投資額の見積もりが、家庭によって大きく違っていることを意味します。「させる親」の多くは、「専門的資格」を弁護士や公認会計士、医師の資格といった(あるいは語学力など)確実な学力の延長線上にあると考えているからこそ、そのチャンスを逃さないように小学生のうちから準備や投資を行っている、と推測できます。中学受験をさせようと考えている場合、その理由を単なる「大学合格への近道だから」とするケースは、我々の予想より少ないのかもしれません。
 対して「専門的資格」を「手に職をつけること」とまで広げて考えていれば、「小学生段階から急ぐ必要はない、本人の適性を見極めてからでも間に合う」と考えることは自然です。中学受験をするかしないかを決める際には、お子さまの将来像をより明確に描いておくことが不可欠のようです。

      

中学受験のリスクとどう向き合うか

 次に、非常に面白いデータとなった図3をご覧ください。「子どもが挫折を感じるリスク」に同意する親は、中学受験予定の有無にかかわらずほとんど同じなのです。ということは、「させる親」は「リスクがあることは承知だが、メリットのほうが大きい」と考えていることがわかります。そのメリットとは何か、特に「させない親」がメリットと感じていない部分に注目して紹介します。

         

 勉強を通しての成長とは、数値で測りにくいものですから賛否あって当然です。逆に言えば、中学受験をする以上は、お子さまがどんな困難に直面したとしても「挫折しない」ためのサポートをしながら、それを乗り越えるように仕向ける必要があるということです。事実、図4でおわかりのとおり、「させる親」は勉強の合間をぬってしっかりコミュニケーションをとっています。「勉強しろ!」とお尻を叩いているばかりではないのです。     

         

 さらに、父親のコミュニケーション力は重要です。「将来の進路」では、60%以上の「させる父親」が「ある」と回答していて、「させない父親」との間には30ポイント近くの開きがあります。同様に「出来事やニュース」では「させる父親」の70%以上が回答し、20ポイント以上の差をつけています。
 中学受験にはリスクもある、という意見には私も同意します。だからこそ、受験させる以上は父親も母親任せにせず積極的にサポートしてあげてください。そのリスクを軽減してあげることは親の努めです。それを怠れば、中学受験は「人生のギャンブル」にもなりかねないと思うのです。     

    

資料 ベネッセ教育開発センター「中学受験に関する調査」2012年 より

vol.58 ブンブンどりむ 保護者向け情報誌「ぱぁとなぁ」2013年 1月号掲載

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