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Vol.66 2050年の日本を支える子どもたちをどう育てればいいの!?

 

 先日「2050年の世界経済・日本財政に関する予測」を記した報告書を見る機会がありました。あらゆる面において先行き暗く課題が多いと言われる我が国ですが、「これからの人材育成」についての提言も掲載されていました。経済界として、2050年の日本を支えることになる小学生たちにどのような資質を求めていこうとしているのか、皆さんにとっても気になるところではありませんか?

2050年の日本の姿

 この報告書は、2012年4月に経団連の21世紀政策研究所が出した将来予測『グローバルJAPAN―2050年シミュレーションと総合戦略』というものです。メンバーには経済界の重鎮がズラリと揃い、2050年の日本経済を考える上でまさに今改善しなければならないことを提言しています。
 さて、皆さんのお子さまが働き盛りとなる2050年はどんな時代になっているのでしょうか。日本の総人口は1億人を下回り、65歳以上の人口が40%を超え、労働力人口に至っては現在より2000万人以上も減少するというのです。我が国の経済成長率は当然のようにマイナスとなり、今改革に着手しなければ、我が国は「先進国」と呼ばれることすら危うい状況だと報告書にはあるのです。
 我が国が経済大国であり続けるためには、女性や高齢者の社会進出促進を中心として労働参加率を高める「労働の量」を確保することと、教育や訓練を通して日本人労働者を「少数精鋭」にするための「労働の質」の向上が不可欠だといいます。こんな時代でもたくましく生き抜くことができるように、我々は子どもたちに教育を施していく必要があるのです。

 

2050年に求められる力とは

 それでは具体的にどのような人材が求められるのでしょうか。報告書では、2050年の日本経済が
 ・安定的に高成長が望めない
 ・IT化やグローバル化によって将来の不確実性が増す
状況にあることを前提として、次のような3つのポイントを挙げています。

1 変化を先取りできる「個性」「感性」を持つ人材を養成せよ
 これまでの日本が得意としてきた「既存の技術の継続的な改良・積み上げ」ではなく、ゼロの状態から挑戦し新しいものを築くことができる個性や感性を持ち、場合によっては「異端」と呼ばれるようなチャレンジができるような資質を備えた人材が必要になるといいます。物があふれ豊かさに満たされた中で生きてきた子どもたちが、新商品・新サービスの開発にチャレンジするときのことを考えてみてください。物事が規則的に・確実に変化していく時代ではないのですから、既存のものを前提として数値化して品質や性能の向上を目指すだけではなく、消費者の感動や笑顔を生む「感性」を持つ人材でないと時代の変化に適応できないというのです。消費者の動向は日々変化していきますから、この変化を敏感に読み取り既存の常識やパターンにとらわれない考え方を持ち合わせていなければなりません。
 そのためには、小学生の時期から過去やパターンの踏襲にとどまらず「柔軟な発想」と「自ら考える力」、予想外の過酷な環境においても適応できる「強い心」を育成する必要があると報告書にはあります。その第一歩は毎日の勉強への取り組み方にあるのかもしれません。
 算数や数学を例に挙げると、「公式やテクニック」を知っていて使えることがゴールではなく、自分で公式を導くことができるようになることや、公式やテクニックが通用しない問題にも粘り強く取り組んで「面倒、わからない」といった泣き言をすぐに言わない習慣を身につけることが必要なのです。

2 英語力の「次」を見据えたグローバル人材を育成せよ
 グローバル化が加速度的に進むであろう日本経済を支えるには、皆さんのお子さまも「グローバル人材」に育っていく必要があります。グローバル人材と聞くと、我々保護者は「とりあえず英語を強化」と考えがちですが、語学力はグローバル人材にとって必須であり、語学力の「次」を見据えた教育が必要であると報告書にはあるのです。
 具体的には、異文化の人たちに対しても通用する「論理力」と「伝える力」と、多様性を受け入れる「広い視野」と「許容力」の養成が求められています。報告書には、文系・理系の枠組みを超えて『国語は「読解力」「文章表現力」の基礎を身につけるための科目、数学や物理は「自分で考える力」と「論理力」を養うための科目』とあります。つまり、英語・国語・数学・物理といった基本科目を徹底的に鍛えろとハッキリ書いてあるので驚きです。
 また、国際的な人間関係を構築するためには、文化・歴史・芸術といった人間性や知性の根幹部分で共感を得られるような豊かな「教養力」も必要だとあります。こうした観点から、教室で行われる「広く浅い」勉強だけでなく、個々の興味に応じて特定の分野を深く掘り下げる「知的好奇心」を養っておくことも求められています。

3 IT化の時代だからこそ「人間関係力」も大切
 今もそうですが、社会人として仕事をする上でパソコンを自由自在に使いこなせることは必須条件。それを超えて、デジタル化された大量で多様な情報を分析して活用する「情報分析力」は、2050年には当たり前に求められる能力となりそうです。さらに、報告書には『デジタル化できない情報や技能の価値・需要が高まるので、対人関係を伴う仕事がより重要になり、広い意味での「人間関係力」「社会人力」の重要性が増す』としっかり記載されています。
 これらは、ビジネスマナーや社会常識といったレベルに留まりません。異文化の同僚とチームを組んで仕事をするわけですから「コミュニケーション能力」や「協調力」がないと人間関係が円滑になりません。リーダーシップを取らなければビジネスが成立しませんから「率先力」「統率力」といった要素も強く求められる時代になるのです。
 報告書にはここまで明記されています。『こうしたスキルや能力は、学校の授業よりも小学生時代は友人との遊び、中学校以降は部活動や各種行事を通じて養われる面が大きい。IT化の中で遊びや課外活動の「個人化」が進んでいるからこそ、上記活動の意義を再認識・協調すべきである』と。

 どうやら2050年の社会人に最も求められる資質は「自分で考える力」のようです。このひと言の中に、感性・主体性・創造性といったすべての要素が取り込まれているのです。自分の考えや意見をしっかり持つことができ、それを「外国語」で主張するのがグローバル化なのです。これがないと、いくら語学が堪能であったとしても仕事で成功することは難しいでしょう。
 だからこそ、現在作文講座で取り組んでおられる「自分の考えをまとめて書く習慣作り」は、できる限り長く続けてほしいと思います。お子さまの成長に応じて、英語をはじめとする外国語の勉強に気を取られるようになることは当然ですが、母語である日本語で表現できないものを外国語で表現するのは大変難しいものです。

vol.66 ブンブンどりむ 保護者向け情報誌「ぱぁとなぁ」2013年 10月号掲載

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