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Vol.90 大きく変わっている子どもたちの「放課後の使い方」

 

 我々が子どもの頃に比べて、子どもたちの「放課後の使い方」が大きく変化してしまったことは言うまでもありません。中学生や高校生はもちろんのこと、小学生であっても「忙しい」「時間が足りない」と考える人が多くなっているようです。

今の子どもたちが感じる「忙しさ」の正体

 今、私の手元にある「第2回 放課後の生活時間調査」(2013年)という調査結果では、前回2008年とのデータ比較を通して、いまどきの子どもたちの「放課後の時間の使い方」に関する動向を知ることができます。

生活に対する意識

  「忙しい」と感じる もっとゆっくり
過ごしたい
小学生 51.2%(+1.7%) 74.2%(+5.3%)
中学生 64.8%(+5.6%) 85.1%(+4.1%)
高校生 70.4%(+5.9%) 84.7%(+4.1%)

( )は2008年調査結果との比較

 今回調査した小学生では、習い事や学校外のクラブに通っている割合がなんと80%にも達しているそうですから、我々の時代には想像できなかった「小学生の忙しさ」の一端がここにあることは事実のようです。「もっとゆっくり過ごしたい」と感じている子どもは小学生で74.2%にも達していて、その後中学生で85.1%、高校生で84.7%と高い数値で推移していますから、小中高を通して「時間に追われ、慌ただしく過ごしている」様子がうかがえます。
 次に、我々保護者にとって気になるのが「携帯電話・スマートフォン」の使用時間です。前回(2008年)調査が、まだスマートフォンが子どもたちの日常に登場する前だったことを念頭におきながら次のデータに目を通してください。

メディアの使用時間(1日あたり)

  携帯電話・
スマートフォン
TV・DVDなど
小学生 9.0分(3.5分) 96.4分(107.3分)
中学生 40.4分(27.5分) 90.6分(111.5分)
高校生 110.6分(73.5分) 77.9分(95.0分)

( )は2008年調査結果

 中学生や高校生のお子さまをお持ちのご家庭であれば、「いやぁ、うちの子はもっと多いよ」という感想を持たれるかもしれません。もちろん「携帯電話・スマートフォンを持っていない」子どもが若干ながらも平均値を下げている可能性は否定できません。興味深いのは、携帯電話・スマートフォンの使用時間が中学生で13分、高校生では37分もの大幅な増加となっている一方で、我々の時代には最も時間を浪費していたTV視聴(DVD含む)が、小学生で11分減、中学生では21分減、高校生では17分減と、5年前に比べて大きく変化していることではないでしょうか。限りのある自由時間の費やし方の優先順位が「我々の想像する子どもの姿」から変化し始めたことは明らかで、共働き家庭が一般的となった昨今では、スマホを通して構築される子どもの交友関係など、親の目が届かない時間が多くなるからこそ、これまで以上に気を配る必要がありそうです。

勉強・睡眠の状況は改善されている

 特に中学生以降、彼らの自由時間の多くが携帯電話やスマートフォンの使用に費やされる中、勉強と睡眠については学年を問わず状況が改善されているようです。

朝6時までに起床している

小学生 20.6%(+4.9%)
中学生 27.7%(+6.3%)
高校生 35.4%(+2.8%)

( )は2008年調査結果との比較

 睡眠時間については、世代によらず横這いまたは数分の減少となっているものの、学生にとって生活リズムの根幹を成す「早起き」について状況が改善されていることは、「スマホ依存」で夜更かしする層との二極化が進んでいることを予想させます。
 中学生と高校生については「学校の宿題をする時間」「学校の宿題以外の勉強時間」がともに5分程度ずつ増えていて、「携帯電話・スマートフォンをいじる時間が増えているものの、生活リズムには気をつけて生活している」様子がうかがえます。

変化の背景を知り、子どもの様子を観察しよう

 子どもの「忙しさ」の社会的背景が、「脱ゆとり」にあることは言うまでもありません。我々が子どもの頃から緩やかに減少し続けてきた授業時間や指導内容が30年以上の間を空けて増加に転じたため、彼らは学校にいる時間も課題(宿題)の量も5年前の子どもたちに比べると増えています。これも彼らの「放課後の自由時間」が減少する大きな要因なのです。また、私立中学に通う生徒にとっては通学時間の長さも自分の自由時間に影響を与えることでしょう。その一方で携帯電話やスマートフォンは、中学生以降では子どもたちのコミュニケーションツールとなっていますから、これらを手放すことで自分の時間を確保するという選択肢は、彼らにとって現実的ではありません。
 そこで我々保護者が意識しておきたいこととして、このデータからも推測できる「子どもたちが、彼らなりに時間のやりくりを工夫する」ことができているかどうかを、忙しさにかまけず観察することを挙げておきます。
 子どもたちが生活リズムを崩さず、勉強時間と睡眠時間を確保し、部活もやりきった上で捻出した自由時間についてはおおいに尊重してあげる一方で、これらが崩れたときにどのような対応をするべきかについて、日頃からご家庭でルールを決めておく必要を強く感じます。我々にも覚えがあるように、やはり小中学生(高校生も含む)には自己管理は難しいものです。最初は上手な時間の使い方ができなくて当たり前、という感覚で適切な注意やアドバイスを与えながら、徐々に自立させる方向に誘導したいものです。
 子どもは自己管理を覚えるとすべての面において急成長するものです。その日はいきなりやってくるわけではなく、毎日の地道な水やりの末に花開くものですから、皆さまの経験談を含めて一度「時間の使い方」について話し合ってみることから始めてみてください。


参考資料 ベネッセ教育総合研究所 第2回 放課後の生活時間調査 2013年     

vol.90 ブンブンどりむ 保護者向け情報誌「ぱぁとなぁ」2015年10月号掲載

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